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メインコミュ 第 146 話 公演前 2 / 5 パート

もしも笑ってくれたなら

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数日後……
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今日のお仕事、早く終わってよかったですね。 桃子ちゃん、戻ったら軽く何か作ろうか?
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桃子は平気。美奈子さんこそ、休憩しなくていいの? 最近、たくさんレッスン入れてるよね?
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大丈夫だよ。今度の曲ね、もっと上手に気持ちを込めて 歌いたいな~って思ってるところがあって。
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そういうのもしっかり詰めておきたいんだ。 でも、ありがとね♪
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やる気があるのはいいけど、無理しすぎないようにな。 美奈子はたまに、考えすぎるところがあるから。
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はーい! 気をつけます♪ ……あれ?
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あの子、何してるんだろう…… ダンボール箱、あんなところに置いて……。
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うん? ……確かに、なんだろうな。
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! お兄ちゃん、美奈子さん、今…… 猫の鳴き声、聞こえなかった?
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えっ! ……ね、ねえ、そこのキミ! 突然ごめんね、あの……、その箱、何かな?
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……、ネコだけど。
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……! まさか、捨てるつもり? そんなのダメじゃない!
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オレじゃねぇよ! ウチの前に捨てられてたんだから。 母ちゃんアレルギーだし、しょうがないだろ。
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それは……でも……。
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ここに置いたって同じじゃん。父ちゃんには 保健所のほうがいいって言われたけど。
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……っ!
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待って!! じゃあ……その子、私に預けてもらってもいいかな?
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美奈子? 預けるって……家で飼えるのか?
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家は……お店があるから、無理かもですけど……。 大丈夫です、誰か飼ってくれる人を探します。
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でも、それまではどうするんだ? 美奈子もご家族も忙しいんじゃ……。
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それは……なんとかします。
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…………そういうの、いい人ってやつ?
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え……?
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野良ネコなんていっぱいいるのに。それで助けたつもり になってるの、ギゼンだって父ちゃんが言ってた。
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まあベンリだからいいけど。じゃあ渡したからね。
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…………。
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ちょっと! なにあれ! 勝手なことばかり言って!
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桃子、落ち着いて。 ……美奈子、大丈夫か?
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……あ、はいっ、大丈夫です。 すみません、私、勝手なこと言って……。
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あの、一度帰ってもいいですか? この子のこと、 家族と相談してきます。すぐ戻りますから。
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でも……。 美奈子さん、今すごく大変なのに……。
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平気だよ桃子ちゃん。 できるだけ早く、飼い主さん見つけるから。
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……わかった。美奈子、この子は一旦、 劇場の事務室で預かるよ。
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プロデューサーさん!?
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まず動物病院に行って、色々チェックしてもらってから だけどな。劇場なら昼間は誰かしらいるし、夜は……
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まあ守衛さんに頼んだり、俺も居残ったりで なんとかなる。急ごう!
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…………
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それで子猫がいたんですね。びっくりしました。 まだだいぶ小さいですね……環のこぶんより。
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検査はしてもらったけど、念のためこぶんとは会わせ ないように……桃子、環に伝えておいてくれるか?
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うん、さっき言ったよ。 環、すっごく遊びたがってたけど。
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そうだろうな。 でも拾ったばかりだし、あんまりかまうのも……。
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ちなみにオスだったよ! さっき確かめたから安心してね!
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いつのまに!? いや、病院でもう聞いてたけどな?
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SE
ガチャ
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プロデューサーさん! 簡単ですけどトイレとお布団、作ってきました。
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おお、ありがとう、美奈子。
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こちらこそです。すみません、私が預かるっていった のに……。急いで飼ってくれる人を探しますね。
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いや、わかるよ。 ああいうのを見ちゃうとな。
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でも、この子、すごく痩せてる……大丈夫かな。 ご飯も、さっきから食べないの。
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病院では、健康状態には問題ないってことだったから… まだ慣れてないせいかな。
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……大丈夫だよ、桃子ちゃん。 落ち着いたら、きっとご飯もいっぱい食べてくれるよ。
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今は緊張してるか……このご飯が好きじゃないのかも。 子猫用フードはいろいろ買って来たから、えっと……。
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……これならどうかな? よかったら、食べてね。
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フーッ! シャー!!
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SE
ガリッ!
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っ……!
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美奈子! 大丈夫か?
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だ、大丈夫です、かすっただけですから。 ……ごめんね、驚かせちゃったね……。
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一応消毒しておきましょう。……野良猫だから、急に 人に囲まれて、興奮しちゃったのかもしれないわね。
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とりあえず、もう少し静かな場所に移します。 みんなも不用意にさわらないようにな。…亜美もだぞ?
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うん。なんかめっちゃ毛が逆立ってるしねー。 あとでたっぷり、オモチャで語り合おう!
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美奈子もな。……怒られたことは気にするな。 今は誰に対しても気が立ってるだけだろうから。
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あ、はい……、私は大丈夫です。 ……キミも、大丈夫だからね? 大丈夫……。
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(……)
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こうして…………うん、これでよし、っと。 琥太朗、どう? 貼り紙、まっすぐ貼れてる?
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うん、いいと思う。 子猫もらってくれる人、見つかるかなぁ。
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きっと見つかるよ。こんなに可愛い子猫なんだもん。 ……あ、いらっしゃいませー!
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おっ、美奈子ちゃん、その貼り紙、捨て猫かい? ふむふむ、オスの子猫1匹、かぁ。
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そうなんです。とっても可愛いんですよ! あ、チラシもありますから、よかったらどうぞ!
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美奈子ちゃんは相変わらず優しいねぇ。 捨て猫なんていっぱいいるだろうに。
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キリなくないかい? ま、でもそこが美奈子ちゃんの いいところだよなぁ。チラシ、もらっとくよ。
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あ……。はい、ありがとうございます! よろしくお願いしますね。
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……。
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……お姉ちゃん?
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え? ……あ、ううん、なんでもないよ。 それじゃ、お手伝いに戻ろっか。
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そして……
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(ソロ公演が近くなってきたが……、美奈子、 あまりレッスンに集中できていないみたいだな)
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(ちょっと様子を見てこよう)
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みんな、お疲れ様。 ……あれ? 美奈子は?
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お疲れさまです、プロデューサー。美奈子さん と桃子は、もうすぐ合流……あれ? もう時間ですね。
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見当たらなかったから、こっちかと思ったんだけどな。 そうか……。
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じゃあまた、子猫の所かしら。 ちょっと見てきましょうか。
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いえ、このみさんたちはレッスンを続けててください。 ……でもやっぱり、子猫の所か。
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みなりん、カイガイしいんだよー。 いろんなご飯作ったり、お布団替えたり。
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私たちも手伝ってるんだけど、 どうしても気になるみたい。
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そのぶん、私たちへの差し入れは無しにしてもらって るんですけど。なので今日は私が、うどんを。
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美奈子が、差し入れをしてない……?
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…………。
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わかった。ありがとな。 ちょっと見に行ってくるよ。
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……今度のご飯はどうかな。 もう少し、食べてくれるといいんだけどな。
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SE
キィ……
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美奈子……やっぱりここか。 今、ちょっと話せるか? 控え室とかで。
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プロデューサーさん。……はい、 すぐ行きます。……じゃあ、またね。
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あの子、ちょっと慣れてきたんですよ。 ご飯は、まだあんまり食べてくれないんですけど。
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プロデューサーさんは……あ、もしかして、 お腹すいちゃいました? すぐ何か作りますね。
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美奈子、トレーナーさんが心配してたんだ。 最近、ボイトレがあまりうまくいってないって。
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あ……すみません、私……。公演も近いのに。
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前に言ってた、上手に気持ちを込めて歌いたいって 言ってたところ……サビのちょっと難しい部分だよな。
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あそこは、思い切りがないと歌えない。 ……歌う気になれないか?
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! 違います! 大好きです!
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あの歌を聴いた時、すごく感動して、 あんな歌を作ってもらえたのが、嬉しくて、私……。
103
ただ、違うんです、その……、 お節介って、難しいなぁって。
104
するって決めたんです。ワガママになろうって。 だから、何を言われたってかまわないはずなんです。
105
だけど……、私のワガママだって、わかってることを 続けるのって……えへへ、難しいんですねっ。
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……。
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そうだな。他の誰かの本当の気持ちは、どうしたって わからないし……それは難しいよ。
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……じゃあ、今はやめておくか?
109
え……?
110
今回の新曲、美奈子のために作ってもらった歌だけど… 今の美奈子には辛いなら、歌う時じゃないとも思う。
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あれは、心から歌える時に歌ってほしいんだ。 ……これはプロデューサーのワガママだけど。
112
…………。 いえ、歌います。歌いたいです。
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私、ちゃんとお節介、焼きたいです。 偽善かもしれないけど、イヤだって言われても……。
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一方通行でも、届かなくても。 やっぱり……、笑顔になってほしいです。
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……わかった。それなら、ぜひ歌ってほしい。 一方通行で届かなくても、迷惑だって言われても。
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何かのきっかけで、笑顔にできるかもしれない。 ……それが、アイドルだから。
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! プロデューサーさん……。
118
SE
カチャ
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あ、美奈子さん、ここにいた! お兄ちゃんも。
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桃子ちゃん。 どうしたの? 私のこと探してた?
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うん。 あのね、あの子、ご飯食べてるよ。
122
えっ?
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(……急いで見に行くと、桃子のいった通り、 子猫は一心不乱にご飯を食べていた。これなら……)
124
よかったぁ~! この子、このご飯が好きだったんだ? 桃子ちゃんが入れ替えてくれたの?
125
美奈子さんが作り置きしてたの、試しただけだよ。 ……あのね、美奈子さん。桃子思うんだけど。
126
ご飯って、どんな味かも大事だけど……。 どうして作ったのかも大事だと思う。
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自分のために作ってくれたって、わかったら食べたく なるもん。……この子も、やっとわかったんじゃない?
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桃子ちゃん……。 うん、そうだね。そうだといいな……。
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一方通行じゃなくなったみたいだな。
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はい……えへへ、桃子ちゃん、ありがとう。 プロデューサーさん、ありがとうございます!
131
私、やっぱり歌います。 あの歌……、今なら、胸をはって歌えます!
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