(39プロジェクトの初公演目前。最終チェックも 済んで、客席も満員御礼。いよいよ本番だ……!)
1
(39プロジェクトの初公演目前。最終チェックも
済んで、客席も満員御礼。いよいよ本番だ……!)
2
ちょっとー!
あんた、こんなとこで何やってるのよ!?
3
伊織? 何って、最終チェックをしてたんだけど。
どうかしたのか?
4
したわよっ。新人の子たち、
向こうで緊張しまくってるじゃない。
5
あんた、プロデューサーでしょ?
さっさとフォローしに行きなさいよね!
6
そ、そうか。教えてくれてありがとう。
……ちなみに、伊織は平気なのか?
7
私は平気に決まってるじゃない。これくらいの
会場なら、今までにいくつも経験してきたし。
8
むしろ楽しみでしょうがないくらいだわ~。
ま、これも才能と美貌と、ついでに経験の勝利ね♪
10
しゃ、社長!? VIP席に座ってなかったんですか。
どうして舞台袖に?
11
社長たる者、本番直前には舞台袖をぶらつくものだよ。
そんなことより、水瀬君!
13
いや、さっきロビーで偶然、水瀬君のお父上に
お会いしてね。相変わらずお元気そうじゃないか!
15
(伊織のお父さん……確か、社長の知り合いだったな。
その縁で伊織は、うちの事務所に来たとか)
16
水瀬君のステージを、とても楽しみにしていたよ。
ひとつ、いい所を見せてあげてくれたまえ。それじゃ!
19
そんな……、うそでしょ?
聞いてないわよ、パパが来るなんて……!
20
ど、どうしよう? 私、歌詞、忘れてないわよね?
ダンスのステップは……!
21
大丈夫。伊織にはもう充分な経験が……
あと才能と美貌も、あるじゃないか。
23
それに客席にいるのは、お父さんだけじゃない。
みんな、伊織たちを見に来てくれた人だ。
24
お父さんにも、みんなにも、伊織の最高の
パフォーマンスを見せてやってくれないか?
26
そう……よね。客席に誰がいようと関係なかったわ。
やることは、いつもひとつだけ。
27
宇宙一可愛くてキュートで、しかもレディな伊織ちゃん
の魅力で全員トリコにする! それだけなんだから!
29
そういえば……。あんた、前に私に言ったわよね?
新人の子たちに、アドバイスしてやってくれって。
30
ああ、言ったけど。
もしかして今日も頼まれてくれるのか?
31
そ、そうね。あんたのフォローだけじゃ心配だし、
仕方ないわ。頼まれてあげる。
32
その代わり、本番ではあんたも全力で
フォローすること! いい?
33
もちろん。みんなで力を合わせて、
最高のステージにしよう!
35
(アイドルにとっては、毎回が大切なステージ。
でも、その中でも一際輝きを放つ瞬間がある)
36
(たとえば、今日これからのステージのように……!)