(まいったぞ……。これから39プロジェクトの オーディションなのに、完全に道に迷ってしまった)
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(まいったぞ……。これから39プロジェクトの
オーディションなのに、完全に道に迷ってしまった)
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あの……。もしかして、何かお困りですか?
なんだか、うなだれているように見えたので……。
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えっ? あ、実は……地図にある、この建物に
行きたいんだけど、すっかり迷子になってしまって。
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(この子、外国の子……だよな? ものすごく流暢な
日本語だ。それに、この奥ゆかしい雰囲気……)
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まあ……!
ここは、私が今から行こうとしている場所の近くです。
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これもきっと、何かのご縁ですね。
せっかくですから、道案内いたしますね!
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案内してくれて、本当にありがとう。
おかげで、遅刻せずに済みそうだよ。
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いえ。
このくらい、大和撫子として、当然のことです!
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はい! 大和撫子とは、常に礼儀正しく……和を尊び、
困っている方には、親切にするものだと思います!
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この国で出会った、大和撫子の凛とした美しさ……
そのしなやかさや謙虚さに、私は心を奪われました。
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私……立派な大和撫子になるのが夢なんです♪
まだ、憧れの存在でしかありませんが……。
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(そうか、この子の魅力の源は……。
そうだ、名刺! 名刺はどこに……!)
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Wow! お話に夢中で、すっかり忘れていました!
私も、これから大切な用事があるのでした。
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すみません、ここで失礼しますね。
では、ごきげんよう!
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え!? あ、ちょっと待っ……。
ああ……名刺も渡せなかった……。
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(アイドルになれる、素晴らしい素質を持っていたと
思うんだけど……大和撫子、難しいかな……)
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失礼いたします。エミリー・スチュアートと申します。
本日は……まぁ、あなたは……!?
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まあ……なんという偶然でしょう!
こちらの面接官の方だったのですね!!
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あっ……し、失礼しました!
私ったら、大きな声を出して、はしたない……。
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確か君は、大和撫子になりたいんだよね?
どうしてアイドルのオーディションに?
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はい。以前、神社で奉納の舞を拝見したんです!
礼装をまとい、舞を奉じるあの姿、素敵でした……!
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「あの方は何という職業の方なんでしょう?」と尋ねた
ところ、『アイドル』だと教えていただきました!
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私も、あのように舞い踊ってみたい……。そう思い、
こうして大和撫子の登竜門を叩かせて頂きました!
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(日本人顔負けの礼儀正しさ、そして可憐な見た目……
この輝きを前に、何も迷うことはない!)
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よし、合格だ! エミリー、これからは
俺と一緒に、アイドルを……大和撫子を目指そう!
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は、はい! 私、きっと素敵な大和撫子に
なってみせます。よろしくお願いいたします!
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(彼女ならきっと、誰よりも素敵な大和撫子になれる
だろう。しっかりプロデュースしていこう!)