MLTD Archive(β)

(エミリーが、初めてドラマのオーディションに 合格した。早く教えてあげないとな!)

音声再生は内部プレビュー専用です。本文はどなたでも閲覧できます。

1
(エミリーが、初めてドラマのオーディションに 合格した。早く教えてあげないとな!)
2
えっと、花の色は、うつりにけりな…… あっ、仕掛け人さま、おはようございます♪
3
エミリー! この前の芝居のオーディションに 合格したぞ! おめでとう!
4
Wow! 本当ですか!? 確かお蕎麦屋さんの看板娘の役でしたよね!
5
ああ、オーディションを受けた時はそうだったな。 でも、監督からの指名で……
6
別の役、アメリカ人教師の子供役として、 合格したそうだ!
7
えっ。米国人教師の子供役、ですか……?
8
新人が監督の指名を受けるなんて滅多にないし、 エミリーにピッタリな役だと思う。よかったな!
9
………………。
10
仕掛け人さま。米国人の子供ということは、 英語を話さないといけないんですよね?
11
ん? まあ、そうなると思うけど……。
12
それは……困ります……。 みなさんの前で英語を話すなんて、はしたないです。
13
はしたない……って、どうして?
14
こ、ここは日本ですから…… お芝居を見てくださるのも、日本の方々です。
15
なのに、日本語を使わないのは失礼ですし……。 何より……その……
16
英語だなんて、大和撫子らしくありませんっ。
17
そ……そうか、なるほど。 エミリーは優しいんだな。
18
えっ? そ、そんなこと…… ありませんけど……。
19
でも、そういえば、前に劇場で歌ってもらった歌詞にも 英語が出てきたような……?
20
Wow!!!
21
な、なんということでしょう! 私、きちんと歌うこと ばかりに気を取られて、気づきませんでした……!
22
うう、申し訳ありません、仕掛け人さま。 私はもう未来永劫、大和撫子失格です……!
23
いやいや、大丈夫だから。 むしろ合格だよ、エミリー!
24
えっ? 合格って……大和撫子ですか? でも、どうして……?
25
エミリーは、きちんと歌うことに集中してたのは、 立派なステージを見せるためだろ?
26
はい……仮にも大和撫子を目指す身として、足を運んで くださったごヒイキ様方に、失礼があっては、と……
27
それこそ、大和撫子として大切な、和の心……。 誠実な、おもてなしの心じゃないか。
28
おもてなし……!
29
ドラマ……芝居も同じだよ。見てくれる人がいて、 その人達に楽しんでもらうことが1番なんだ。
30
だから、大切なのは、きちんと演じること。 お客さんを、芝居の世界に案内することじゃないかな。
31
ごヒイキ様方を、お芝居の世界にご案内……! まさに、おもてなしの心ですね!
32
よくわかりました、仕掛け人さま。 未熟者ですので、まだまだ心配ですが……。
33
ごヒイキ様方を、きちんとご案内するために。 米国人教師の子供役、しっかりと演じきってみせます!
34
ああ、期待してるぞ!
35
はい! それではさっそく台本を覚えてきます。 仕掛け人さま、失礼します。
36
(大和撫子は和を尊ぶ人のこと。 そこに言葉の違いは関係ない)
37
(エミリーがこれからどんな道を辿って 大和撫子を目指すのか、最後まで隣で確かめるぞ!)
38
数分後……
39
仕掛け人さま! 台本を確認しましたら、米国人教師の 子供は、一切英語を使っていませんでした!
40
えっ、そうだったのか! そ、そうか……。 とりあえず、よかったなエミリー!
41
はい……ですが、代わりに片言で、 かえって難しくて……。うう、ガンバリマース。
ホイールで拡大 / ドラッグで移動 / ダブルクリックで等倍ピンチで拡大 / ドラッグで移動