(明日は月に一度の特別な日……そう、765プロの 給料日だ! そろそろ、志保が来るころだけど……)
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(明日は月に一度の特別な日……そう、765プロの
給料日だ! そろそろ、志保が来るころだけど……)
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お待たせしました。
それで、用ってなんでしょうか?
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お疲れさま、志保。わざわざ来てもらって悪かったな。
実は、銀行の手続きにミスがあって……。
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だから今回だけ、手渡しになっちゃうんだけど……
受け取ってくれ。
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あ、ありがとうございます。
これが、私のお給料……アイドルとしての……。
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といっても新人だし、まだまだ少ない額だけどな!
もっとたくさん稼げるように、これから頑張ろうな!
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は、はい、もちろんです!
あの……よろしくお願いします!
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うん。初めてのお給料だし、嬉しいよな。
何に使うか、もう決めてるのか?
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プロデューサーさんって、アイドルが
お給料を何に使うかまで、確認するんですか?
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い、いや、ちょっと気になっただけだよ。
突っ込んだ事を聞いて、悪かった……。
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なるほど。そういえばオーディションの時にも、
お母さんに楽をさせたいって言ってたな。
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はい。私はそのために、アイドルになったので。
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でも、せっかく初めてのお給料だし。ひとつくらい、
志保の好きなものを買ってもいいんじゃないか?
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そうですね……。
わかりました、母に聞いてみます。
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プロデューサーさん、お疲れさまです。
ちょっといいですか?
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大した用じゃないんですけど……
いちおう、報告しておこうかと思って。
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この前いただいた初めてのお給料で、
これを買いました。
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へえ、絵本か。弟さんに読んでやるのか?
でも、自分のものを買えばって言ったのに……。
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弟にも読んであげますけど、これは私の絵本です。
ずっと、欲しかったので。
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小さかったころ、本屋さんでこの絵本を見かけて。
とっても綺麗だなって、一目惚れしたんです。
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本屋さんに連れて行ってもらうと、いつも
この本を見に行ってました。でも……。
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いえ、なんでもありません。……自分で働いたお金で、
この本を買うことができて、よかったです。
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(豪華な装丁の絵本だ。きっと、高くて
お母さんにはねだれなかったんだろうな……)
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プロデューサーさんに言われた事を、
母に相談したんです。
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そうしたら「そのとおり」って言ってくれたんです。
「記念に、志保の好きなものを買いなさい」って。
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うん。志保が欲しいものを買えば、
お母さんも喜んでくれると思ったんだ。
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そうですか。母には、自分で稼いだお金だから、
自分のことに使っていいと言われたんですけど。
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でも、特にほしいものもないので……残りは
全部渡しました。もっと、力になりたいですし。
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だから、プロデューサーさん。私がもっと
お仕事できるよう、プロデュースしてくださいね。
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(後日、志保のお母さんに会うと……預かった
給料をこっそり貯金していると、話してくれた)
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(志保が成人したら、渡してあげる予定だそうだ。
……いいお母さんだな、志保!)