(化粧品メーカーの展示会イベントに、 可憐が体験アイドルとして出演する事になった)
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(化粧品メーカーの展示会イベントに、
可憐が体験アイドルとして出演する事になった)
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(新商品の化粧品を体験して、宣伝する……
香りが好きな可憐にピッタリの仕事だ!)
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プロデューサーさん…………。
ほ、本当に私なんかで、いいんでしょうか……?
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もちろん。メーカーの人が直接、可憐に
お願いしたいって声をかけてくれたんだ。大抜擢だぞ!
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それは、とってもうれしいです……。で、でも……
か、会場中、お客さんがいっぱいで……うぅ……。
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み、みんなの前で体験するだけじゃなく、お客さんに
話しかけてオススメするなんて……私にはとても……。
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それに、いつもは劇場のみんなが一緒ですけど……
き、今日は私ひとりですし……うぅ、どうしたら……。
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(みんながいなくて心細いのか、いつもより
不安そうだな。なんとか可憐を落ち着かせないと……)
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スタッフ
お疲れ様です! 体験宣伝で使っていただく新商品の
ハンドクリーム、先にお渡ししておきますね。
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は、はい……!
ありがとうございます……あ、あれ……?
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くんくん……こ、このハンドクリーム、珍しい……
優しい香りがします……。ピオニー、かな……?
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えっと、ピオニーは、お花の名前です……。
ひ、控えめで、甘い香りが特徴なんですよ……。
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いい香りですね……。
なんだか、とても落ち着きます……♪
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開ける前に香りがわかるなんて、すごいじゃないか。
可憐は、本当に香りに敏感なんだな。
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そ、そうみたいです……特に、匂いは……
人より、気になってしまうみたいで……。
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でも、私が匂いに敏感になったのは、きっと……
わ、私が臆病だから、なんです……。
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ひ、人の視線が気になるのと、同じで……
音や光や……匂いが、気になってしまって……。
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私……あのころから、何も変わってないんです……。
臆病で……ま、周りを、気にしてばかりで……。
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可憐のそれは、悪い事じゃない。
むしろ、素敵な事だと思うよ!
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劇場のみんなが言ってたよ。「可憐のそばにいると、
いい香りがしてなんだか落ち着く」って。
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可憐が自分を落ち着かせるために焚いたアロマが、
周りのみんなにも届いてるんだ。香りは広がるからな!
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みんなが、そんなふうに……。
プロデューサーさん……わ、私……。
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このハンドクリーム……優しい香りで、大好きです……
だ、だから……たくさんの人に、知ってほしいです!
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ああ、その意気だ!
おっと、そろそろ時間だな。行けるか?
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は、はい!
プロデューサーさん、行ってきます……!
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(可憐は笑顔で駆けていく。
好きなものに、少しは自信を持てたみたいだ)
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(可憐が今日の仕事を立派に務め終えたら……
その後は、劇場に可憐の好きな香りを焚いてもらおう)