(莉緒にもいろんな仕事のオファーが来るように なってきた。今日は地方ロケの仕事だったのだが……)
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(莉緒にもいろんな仕事のオファーが来るように
なってきた。今日は地方ロケの仕事だったのだが……)
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もうなんなのよ、あのディレクター!
「もっと若いと思ってた」なんて、失礼しちゃう~!
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一応「意外とお姉さんですね」って台詞だったけど……
あの微妙な顔は、そういう意味だったかな?
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絶対そういう意味! オトナの女の魅力がわからない
なんて~! …もっと胸元開いた方がよかったのかな?
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いや十分だったと思う! ただ、アイドルと言っても、
人それぞれ、いろんなものを求めるから……。
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そうなのよね~。あーあ、若さじゃ勝てないもんな~。
劇場の子たちも、みんなピッチピチだし……。
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もういいっ。今日はとことん付き合ってよね?
すみませーん! 生ビールふたつ、おかわりー!
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(莉緒の愚痴はしばらく続いた。
だが、ひとしきり言い終えると落ち着いてきて……)
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そういえば、このお店で社長と意気投合して、
プロデューサーくんにスカウトされたのよね。
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そうだったな。あの時は、こっちも突然で驚いたけど。
……もしかして、スカウトを受けたこと、後悔してる?
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え? やだ、してないわよ~!
……どうしたの、急に?
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ほら、アイドルになってなかったら、
今日みたいなことも言われなかったかな、と思って。
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あ、そういうこと。確かに、勢いでOKしちゃった所は
あったけど。ちょうど会社を辞めたばかりだったしね。
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でも、辞めてホントによかったと思ってる。社長に
会えて、キミに出会えて……アイドルになれたから。
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……そう思ってくれてるなら、本当によかった。
アイドルの莉緒のファンにとっても、俺にとっても。
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……うん、そうね。フフッ、ホントそう。
私たちの出会いにカンパーイ、なんてね。
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うん、だからキミも、あの時ここで私の魅力のトリコに
なったこと、後悔しなくていいんだぞ♪
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あ、そういえば……
莉緒は前の会社、どうして辞めたんだ?
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どうしてスルーするのよー! ……ま、いいわ。
えっとね、私が会社を辞めたのは~。
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制服のデザインが変わって、
可愛くなくなっちゃったから!
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そんな理由って何よ~、大問題でしょ!?
……まあ、制服は最後のダメ押しだったんだけど。
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なんていうか、仕事してても楽しくなかったのよね。
自分が何かしてる、役に立ってる、って実感がなくて。
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ついでに、ちょっとブラック気味な会社だったし。
だから、いいきっかけかな~と思って辞めちゃった!
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そうだったのか……。
まあまあ、いろいろあったんだな。
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別に、よくあることみたいだけど! でも、だからね。
アイドルになれて、ホントによかったって思ってるの。
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ちゃんと私のこと、見てもらえるから。
ファンの人たちに……ウフフ、それから、キミにもね♪
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もちろん。今もちゃんと莉緒を見てるよ。
だから、よくわかってるつもりだ。
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いつもファンを楽しませようと考えてくれてる。
そんな莉緒は、絶対すごいアイドルになれる、って。
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プロデューサーくん……嬉しい、ありがと~!
ヘコんでたけど、なんか自信でてきちゃった!
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よーし、やっぱり今日は、とことん飲みましょ♪
すみませーん! ハイボールふたつおかわりー!
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(きっかけは勢いだったのかもしれない。でも……
いま莉緒が目の前にいる事は、必然かもしれないな!)