(今日は小さいイベントホールでのライブ。 紬にとって初めての、外でのステージになるけど……)
1
(今日は小さいイベントホールでのライブ。
紬にとって初めての、外でのステージになるけど……)
5
いや全然見えないけど、一応聞いてみようかと……。
うん、思った以上に緊張してるみたいだな。
6
みたいもなにもありません! わからないのでしたら
申し上げますが、私はとても、とても緊張しています!
7
わかった、心底よくわかった、ありがとう!
でも、そこまで緊張しなくてもいいんだぞ?
8
よくありません。私はまだまだアイドルとして半人前。
歌もダンスも、他のみなさんに遠く及びません。
9
そんな私が、劇場の外に出て歌うなんて……。
やはり、まだ早かったのではありませんか?
10
そんな事ないよ。紬ならもう十分、外に送り出せると
思ったからこそ引き受けたんだ。自信を持ってくれ!
11
送り出す……?
もしかして、私を劇場から追い出すつもりで……!?
12
違う違う。ええと……そう、紬をもっといろんな
人に見てほしい、そう思ったんだ。
14
違う違う違う! ええと……そう、こんなにすごい
アイドルがいるんですって、知らせたかったんだ!
15
……。
だとしたらそれは……、貴方の思い違いです。
16
自分の至らなさは、誰よりもよくわかっています。
すごいアイドルだなんて、とてもそんな……。
17
まあ……自分の粗は目についちゃうかもだけど。
悪い部分だけじゃなくて、良い部分も見て欲しいかな。
18
紬は今日まで、真面目にレッスンしてきたじゃないか。
それも自分が一番、よくわかってるんじゃないか?
20
大丈夫、ちゃんとできてたから。
自分がやってきたことを信じていこう!
21
……。そう、ですね……。
それならば、少しは信じられる気がいたします。
24
プロデューサー……あの。
ありがとうございました、少し……落ち着きました。
25
うん、よかったよ。……それにしても、
どうも紬には、誤解されることが多いよな。
26
そんなに言い方が悪いかな?
まあ、信用されてないだけかもしれないけど……はは。
30
私は……貴方にいただいた言葉ひとつを信じて……。
ここまで参りました。ですから……その。
31
あ、貴方が、本当にバカだったり、軽薄だったり、
人でなしだったりすると……。困るげん……。
32
そうか……。
つまり頼ってもらえてる、って感じかな。
33
それは、当たり前のことかと思います。
貴方は私の……プロデューサーなのですから。
34
そうだよな。でも、そう思ってくれてるのなら
嬉しいよ。ありがとう、紬!
35
で、ですから、当たり前のことです。
お礼なんて……いりません。
36
とにかく、色々と勘違いさせてしまっているのは
確かだよな。もっと安心して貰えるように頑張るよ!
37
……。貴方という方は本当に、
能天気というか、なんというか……。
38
なんだか気が抜けてしまいました。貴方には、
乗せられてばかりのような気がします。
39
いいんじゃないか? 乗せられておけば。
いっそこのまま、トップアイドルまで……。
41
まずは私の新たな門出ともなる、今日のステージです。
どうぞ、しっかりとご覧あそばせ!
42
(暗かった瞳も、信頼と希望の光ですっかり明るく
なった。これから色んな世界を見せてやらないとな!)