(新たなアイドルを求め、彷徨い続ける中……。 今日は、自衛隊基地のお祭りに足を延ばした)
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(新たなアイドルを求め、彷徨い続ける中……。
今日は、自衛隊基地のお祭りに足を延ばした)
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(音楽隊と共演するボーカリストが評判だと聞いて、
見に来たんだけど……困ったな、入り口がわからない)
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どうなさいました?
もしかして……見学の方ですか?
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えっ? あ、そうなんです。
コンサートを見に来たんですけど……。
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ふふっ。こう敷地が広いと、迷ってしまいますよね。
私も今から向かうところなので、ご案内します。
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(綺麗な声の人だな。それに、線が細くて柔らかい印象
……とても自衛官とは思えないけど、もしかして)
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いいえ。私ではなく、父が自衛官で……。
今日は、コンサートのお手伝いに来ただけなんです。
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と言っても、ただステージで歌うだけなので……
遊びに来たようなものですけど。ふふっ♪
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俺は今日、あなたに会うためにここに来ました。
こういう者なんですが……。
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まあ! アイドルの、プロデューサーさん……?
すごい方なんですね。
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あっ……私ったら、名刺を頂いたのに名乗りもせず……
失礼しました。桜守歌織と申します。
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それで、私に……ご用ですか?
あの、いったい、どういう……?
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はい、桜守歌織さん。
39プロジェクトのアイドルになりませんか?
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えっ? アイドルって、あの……、
アイドルですか? 私が?
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はい。あなたには、人を惹きつけるものがあります。
アイドルの素質があると思います!
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それに何と言ってもボーカリストとしての実力は、
自衛隊の折り紙付きですし。
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実力だなんて、そんな……。私はただ父のツテで、
自衛隊の方と共演させていただいているだけなんです。
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たとえ身内だったとしても……
いや、そういう問題じゃないか。
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歌織さん、俺はプロデューサーとして、貴方に惹きつ
けられました。正直、他の理由はどうでもいいです。
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俺に貴方を、アイドルとして……
プロデュースさせてください!
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子供っぽく見えるかもしれませんけれど……
私、もう成人している大人……なんですよ?
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だから、今からアイドルと言うのは、その……。
よろしいんですか……?
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よろしいです! 全然問題ありません。
むしろ、あなた以上の人を探すのは難しいと思います。
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もう……お上手ですね!
もしかして、私をからかわれてらっしゃるとか?
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そんな風に見えたのなら謝ります。
でも俺は、本気も本気です!
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いえ……ごめんなさい。つい、逃げてしまって。
伝わってきますから。貴方が本気なこと……。
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必ずしてみせます。
それが俺の……プロデューサーの仕事ですから。
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もちろん、歌織さんさえよければ、ですけど。
俺に貴方を、プロデュースさせてもらえませんか?
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あの……。考えさせていただいても、いいですか?
家族とも相談して……。
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あっ……いいえ、違いますね。私、もう大人ですもの。
さっき自分で言ったばかり……。
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考えさせてください。あなたのお申し出……。
この胸の中で、しっかりと。
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失礼します。
こちらに、プロデューサーさんは……。
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あの……私……。
あれから、ひとりでよく考えて……決心しました。
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プロデューサーさん。
私を……アイドルにしてくださいますか?
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ふふっ、ありがとうございます! 貴方のその言葉に、
私……一歩を踏み出す勇気をいただきました。
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今、すごくドキドキしています。
私はこれから、どうなってしまうのかしら……って。
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私をこんな風にした責任……取ってくださいね?
どうか、よろしくお願いします。
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(責任は喜んで取らせてもらおう。
39プロジェクト、きっとすごいものになるぞ!)