1
(ハロウィン公演が決まった。テーマはヴァンパイア。
そこで、育と桃子に重要な役を任せることにした)
2
(が、ふたりは少々苦戦している様子……。今日の合同
レッスンが、良い刺激になればと思っていたんだけど)
3
ちょっと、遅いじゃない! 合同レッスンに
プロデューサーが遅れるって、どういうことよ~!?
4
あんたは一応、大人の責任者なんだから、
しっかりしなさいよね!
5
ご、ごめん、伊織。育と桃子も。
公演の打ち合わせが長引いてしまって……。
6
お兄ちゃん、時間厳守はプロの基本だよ?
遅れる時は、せめて連絡くらい入れるのは常識でしょ!
7
でも桃子ちゃん、車を運転中に電話するのは
危ないからだめだって、おかあさんも言ってたよ。
8
だからしょうがないよね、
プロデューサーさん!
10
本当にすみません……次から気をつけます……。
それで、今日の調子はどうだ?
11
うん……あのね、やっぱりこの前と
同じところで失敗しちゃうみたい。
12
全体的には悪くないって思うわ。でも、そうね……
育のヴァンパイアは、ちょっと硬いかしら。
13
もっと柔らかく……朋花や莉緒みたいに、すこし
妖艶って感じも出せると、良くなるんじゃない?
14
朋花さんと莉緒さんみたいに……
よーえんって、大人っぽいってこと? 桃子ちゃん。
15
大人っぽいのとは、ちょっとちがうかも。
この前見たアニメに、悪い魔法使いがいたでしょ?
16
たぶん、あんな感じだと思う。
あやしくて、いい人か悪い人かわからない感じ。
17
「ふふっ、甘いわね……♪」
……こんな感じかな?
18
わあ……桃子ちゃん、すごい!
悪い魔法使いに、そっくりだよ!
20
それじゃ、もう一度最初から合わせてみましょうか?
育、桃子、立ち位置に……。
21
ああーっ! いおりーん発見!
なになにー、こんなところでヒツマブシ?
22
みさきちが、いおりんのコト探してたよ?
ねえねえ、どんな落とし穴作ったの?
23
作ってないわよ! さっき美咲に衣装のことで
相談したから、きっとその話ね。
24
亜美、真美、お疲れさま。
こうして並んでみると……うん、壮観だな!
25
んっふっふっ~♪ 気づいちゃったね、兄ちゃん。
ワレワレのせくしーへろもんが漏れていることに!
26
ワレワレのモレモレのせくしーへろもんで、
兄ちゃんをメロメロンビームのえじきに……。
27
それじゃ私は、美咲のところへ行ってくるわ。
プロデューサー、ふたりをお願いね。
28
亜美、真美。ジャマする気なら、
あんたたちも一緒に来なさいっ!
29
ええ!? 待ってよ、いおりん!
今、メロメロンビームの準備をしてるとこなのに~!
30
うあうあ~!
亜美は、準備もさせてもらえなかったよ~!
31
ああ、もう行っちゃったか……慌ただしいな。
それじゃ育、桃子、レッスンの続きをしようか。
32
うん! 桃子ちゃん、
もう一回はじめからやってみてもいい?
33
うん。桃子もそのつもりだったし。
お兄ちゃんはそこで、ちゃんと見ててね。わかった?
35
うーん、おかしいなぁ。また同じところで
失敗しちゃう……えっと、もう一回!
36
ちょっと待って、育。
その前に……深呼吸してみて。
37
しんこきゅう? う、うん、わかった。
……すぅ~、はぁ~。すぅ~、はぁ~。
38
あれ……?
なんだかちょっと、体が軽くなった気がする……。
39
緊張してると、肩とかいろんなところに力が
入りすぎて、思うように動けなくなるでしょ。
40
だから緊張したら、深呼吸するといいと思う。
本番まで、まだ日にちもあるし。
41
そうだな。育、レッスンの時間はまだまだあるんだ。
焦らなくていいから、思いきってやってみよう!
42
プロデューサーさん、桃子ちゃん……
ありがとう! わたし、やってみるね!
43
も、桃子はプロだし、これくらいのアドバイス、
できて当たり前だよ。それに……。
44
育はいつも、その……一生懸命だから。
見てると、桃子もがんばろうって思うし……。
45
えへへ、うれしい!
いっしょにがんばろうね、桃子ちゃん!
47
そうか。ふたりは仲良しだけど、
身近なライバルでもあるんだな。
48
ライバルかぁ……ライバルって、なんかカッコイイね♪
わたしも、桃子ちゃんに負けないようにがんばる!
49
桃子たちがいれば、公演の成功は間違いなしだしね。
お兄ちゃん、サポートよろしくね♪