(千早の新しい衣装が届いた。 試着をしてもらっているのだが、いつになく真剣だ)
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(千早の新しい衣装が届いた。
試着をしてもらっているのだが、いつになく真剣だ)
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千早、お疲れ様。どうした?
もしかして、衣装に何か不備でも?
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いえ、そういうわけでは。私が想像していたより
何倍もカッコよくて、とても素敵だと思います。
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そうか。いや、じっと見つめてたから、
何かあったのかと思ったんだけど……。
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すみません。実は……こうして衣装を着てみたら、
色々考えることが生まれてきて。
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この衣装でステージに立つ、その瞬間……私は、
歌にどんなメッセージを込めるべきなのか、と。
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込めるべきメッセージ……。
その衣装で役柄を演じるからこその悩みってことか。
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はい。この服は、チハヤがレジスタンスとして
戦っている時に着ていたもの……彼女の戦闘服です。
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村人や仲間への思いや、政府への不満……。
きっと、様々なことを考えていたと思います。
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感情一つで、歌の印象は大きく変わります。
果たして衣装に合わせるべきか、それとも……。
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なるほど……メッセージを発信するのは、
チハヤなのか、それとも千早本人なのか。
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そうだな……。個人的な意見を言うと、
どちらも、歌に乗せて届けていいんじゃないかな。
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いいんですか? 決して明るい感情ではないですし、
いつも通りのパフォーマンスになるかは……。
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それは当然だよ。
千早の歌に、チハヤの思いを込めるんだから。
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役者として受け取った感情を、歌い手として
みんなに伝える。千早にしか出来ないことだと思うよ。
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この衣装だからこそ見せられる、特別。みんなにそう
思ってもらえるステージにできればいいんですよね。
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ああ。二人分の思いを乗せた歌を聞いたら、
みんな、喜んでくれると思うよ。
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ありがとうございます。
……本当は、やりたい気持ちが大きかったんです。
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でも、なかなか踏み出せなくて。
プロデューサーに相談して、よかったです。
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衣装に宿る、彼女の想い。
みんなへ届けられるよう、精いっぱい歌いますね。