あ、伊織。ちょうどよかった。 伊織のブログについて、ちょっと話があったんだ。
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あ、伊織。ちょうどよかった。
伊織のブログについて、ちょっと話があったんだ。
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なにかしら? まさか、私の文章の美しさに目をつけた
出版社から、さっそくオファーでも来たの?
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それはまだなんだが……。伊織、ブログに、お客さん
も仮装をしてライブにくるよう、書いてただろ?
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ああ、あれ……! な、なによ、いい提案でしょ?
まあ、アンタに相談ナシで書いたのは、その……。
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いや、さすが伊織だよ!
みんなで仮装するライブなんて、面白いよな!
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そうなの! 私くらいのアイドルになると、ブログを
書くだけで、天才的なアイディアが出ちゃうのよね~♪
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そうだなあ。こんなに伊織が優秀なら、
いつか俺が、いらなくなってしまうかもしれない。
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な、なにいってるの? いるに決まってるでしょ!?
勝手にサボろうとしたら許さないわよ?
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アンタにはこれからも、馬車馬のように働いてもらうん
だからっ。まったく油断もスキもないったら……。
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い、いや、サボるつもりはないんだけど……。
必要としてもらえるなら、よかったよ。
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そうね……。それじゃ、うかうかしてるアンタに、
さっそく仕事を与えるわ。いい? 大事な仕事よ?
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プロデューサーなら、アイドルの気分をのらせるのも
仕事のうちよね? 私をノリノリにさせてみて!
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よし、任せてくれ伊織! ……そうだな。今の衣装を
着てる伊織は、ハロウィンの国の貴族の令嬢みたいだ。
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キュートで、それでいてミステリアス。上品で、
少しあやしい魅力に吸い込まれそうになる。
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そんな衣装で伊織が歌ってくれたなら、ぐっと心を
つかまれて虜になってしまいそうな……。
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ちょ、ちょっとストップ、ストップー!
な、なにそれ? どこからそんなお世辞が……?
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アンタ、いつもそんなこと考えてるの?
……おかしいんじゃない?
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そうかな……。俺は伊織の一人目のファンなんだ。
誰より伊織にほれこんでるのは、当たり前のことだろ?
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ほれ……。そ、そうね。そういう言い方も、
できるのかも……しれないけど。
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だから俺は、今後も伊織の魅力を後進に伝えるため、
プロデュースの手をゆるめずにいく。期待しててくれ!
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わ、わかったわよ、もういいわ。
私だって、最初から……期待して……ごにょ……。
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(ともかく、伊織の気分をノリノリにさせることには
成功したようだ。この調子で頑張っていかないとな!)