(さて、今日は瑞希の衣装のフィッティングだ。 様子はどうだろうか……)
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(さて、今日は瑞希の衣装のフィッティングだ。
様子はどうだろうか……)
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どうだ瑞希。気になる点が
あったら、遠慮なく言ってくれ。
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では、プロデューサー。ひとつお願いが
あります。部屋を暗くしてもいいですか?
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部屋を暗く……? そしたら鏡で確認出来なく
なっちゃうぞ? フィッティングなのに……。
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フィッティングはバッチリです。これ以上は
考えられないほどに。……着心地、100点満点。
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ただ部屋を暗くして、マッチの火を灯したいのです。
……とっても、ムーディー。
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い、いや、火は危ないからダメダメ!
それにスプリンクラーが作動しちゃうし!
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スプリンクラーが……それはいけません。
この衣装を濡らすのは、ダメ。OK。
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ムードが欲しかったのですが。
ここは引くぞ、瑞希……しゅん。
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ムードって……。
ええと、何をするつもりだったんだ?
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はい、素敵な衣装をいただいたので、
感謝を伝えたいと。ですが、私は口下手です。
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なので、ムーディーな演出の力を借りて、
気持ちを伝えようという試みです。
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なるほど……まあとりあえず。
衣装、そんなに気に入ってくれて嬉しいよ!
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はっ……それです、プロデューサー。
私もそうして、まっすぐに気持ちを伝えたいな。
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今のままでは、私がどれほど、
喜んでいるか、伝わっていないと思うので。
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いや、そんな事ないよ。
瑞希の気持ちなら、すっかりわかったよ。
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え? ですが……私はまだ、なにもしていません。
伝わるはずは……。
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顔を見れば分かるって。
嬉しそうだなって、伝わってくる。
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顔を見れば……? 本当ですか?
私は表情が変わらない方だと思いますが……。
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表情っていうより、目かな?
目は口ほどにものを言う、とも言うし。
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こうやって、しっかり見れば……。
あれ? 瑞希って、結構まつ毛、長かったんだな。
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……! あの、プロデューサー。
やはり部屋を暗くしてほしいです。
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今は……伝わって欲しくないので。
困ったぞ、瑞希……ドキドキ。