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(『おとぎの国の物語』の撮影が順調に進んでいる。
いよいよ次は、貴音演じる偉大なる魔法使いの出番だ)
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(ええと、貴音は……お、あそこにいるな。
真剣な顔をして、何をしているんだ……?)
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貴音、お疲れさま……って、
うわっ!? 手から鳩が出てきた!?
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プロデューサー!? いつからそこに……。
もしや、見られてしまったのでしょうか?
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あ、ああ。今の、どうやったんだ?
まさか……本当に魔法を使ったなんてことは……。
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気づかれてしまっては仕方ありません。実は……
私の真の姿は、偉大なる魔法使いだったのです!
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というのは、冗談です。今のは、種も仕掛けもある
まじっく。撮影のため、こっそり鍛錬していたのです。
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そうだったのか……。でも、その姿で
手品をされると、本当に魔法みたいに見えるよ。
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それは何よりです。映画の中での魔法は、
しーじーで描かれると聞きましたが……。
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本当に魔法を使っているように見えた方が、
観客の皆様にも、より楽しんでいただけるかと。
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それで、まじっくを覚えてみたのです。真、
難しい技でしたが、なんとか会得できたようですね。
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そこまで考えて手品を練習してくれたのか……
ありがとう、貴音。
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いいえ。にわか仕込みのまじっくですが、
鍛錬のおかげで、首尾よく運びそうです。
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見てくださる皆様はもちろん、共演する皆も
驚かせるくらいのまじっくを、お見せしましょう。
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ああ、みんなびっくりすると思うぞ。
「本物の魔法使いだ!」ってな。
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ふふ、そうなるとよいですね。
それにしても、魔法とは……真、面妖な力です。
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ですが、科学では推し量れない摩訶不思議も、
この世には数多あるのかもしれません。
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(そう妖しげに微笑む貴音は、本当に魔法使いのよう
で……。さっきのは本当に手品だったのだろうか……)