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(今日は、貴音達が出演する映画の撮影日。
本番を控え、台本読みをしていた貴音だったが……)
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大丈夫か、貴音?
表情が少し、硬いような気がするけど。
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プロデューサー……申し訳ありません。
ご心配をおかけしてしまって。
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ですが、大丈夫ですよ。今はただ、撮影に向けて
気持ちの整理をしていただけですから。
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気持ちの整理? 台本を読んで、
なにか思うところでもあったのか?
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そうですね……。己の役と、どう向き合うか。
この人物をどう表現するか、考えていたのです。
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私が演じる命の行いによって、
これから起こることを思うと胸が痛みます。
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しかし、それは善意から始まったもの。
果たして彼女は善なのか、悪なのか……。
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なるほど。貴音はまだ、その答えが
出せていないってことなんだな。
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はい。ちなみに
プロデューサーは、どう思いますか?
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彼女のする事は、村では当たり前に行われてきた
因習で、起きる事件はあくまで結果だからな……。
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みんなの演じる世界を見ながら、撮影の中で
答えを見つけていく方がいいんじゃないかなって。
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なるほど……。確かに、演じる私が決めつけて
しまっては、演技に余計な感情が乗ってしまいますね。
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あなた様の言うとおりかもしれません。答えは、
物語を見た人達に、ゆだねるといたしましょう。
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すまないな。あまり具体的な
アドバイスになってないと思うが……。
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そのようなことは。答えは出ませんでしたが、
撮影に対する心の整理は、十分出来ましたから。
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今はただ、四条貴音としてできる表現を見せるだけ。
ただそれだけで、よいのでしょう。そうすれば……。
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先ほどの答えは、自ずと見つかるはず。その時は、
あなた様の感想も聞かせてください。ふふっ!