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(今日はヒーロー映画の撮影日だ。律子は恋する
内気なヒーロー少女という難しい役どころだが……)
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本番前にすみません。プロデューサー……
あの、私の気持ち受け取ってくださいっ!
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え? ハートのシール……これはラブレターかな?
えーっと、ありがとう?
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ちょっとちょっと、なんですかその微妙な反応。
さすがにもうちょっと舞い上がってくださいよ。
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いや、そう言われてもな……。
急にそんなこと言われても戸惑いしかないぞ。
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う~ん、まぁ、たしかにそれもそうか。
ある意味、リアルな反応だったってことですね。
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それで、いったいどういうことなんだ?
律子のことだから、何か考えがあるんだろうけど。
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少女のことを考えてたんですよ。ラブレターを
渡す時、この子はどんな気持ちだったのかなって。
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思い切って、好きな人に気持ちを伝えたい自分と、
ヒーローとして、先輩を巻き込みたくない自分。
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シーンこそありませんけど、たぶん、この子は、
ラブレターを書くまで、相当悩んだと思うんですよね。
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うん、そうかもしれないな。
それでも結局、告白することを選んだわけだ。
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はい。だからきっと彼女は元々「強い」んですよね。
それは、ヒーローとかとは無関係に。
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いや、それならやっぱり……あらためて、
この役は律子にピッタリだったなと思って。
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私にピッタリですか? よくわかりませんけど。
ひとりで納得してないで、説明してくださいよ。
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だって律子も「強い」だろ。今まで沢山悩んで、
そのうえで、ここにいることを選んでるんだから。
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ふふっ、まあ、そうですね。誰かさんが頼りない分、
強くならないといけませんでしたし。
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冗談ですよ、もちろん。プロデューサー、
付き合ってくれてありがとうございます。
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おかげで撮影、うまくやれそうです。
それじゃあ、行ってきます!
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(律子の足取りは強く、自信に満ちている。
やっぱり律子は、かっこいいな!)