1
(取引先から美容ドリンクをもらった。
こういうのは、みんな喜ぶよな)
2
(今は、百合子が自主レッスンをしてるはずだ。
差し入れに持っていこう)
5
あっ、プロデューサーさん……。
お、お疲れ様です~……、はぅぅ……。
6
百合子!?
どうしたんだ、へとへとじゃないか……。
7
そんなにレッスン頑張ったのか? ちょうど
ここに冷えたドリンクがあるから、飲んで。
9
ハッ!? これ、美容ドリンクですか?
ダメダメ! これはダメです!
11
どうしてって……私が、今度のステージで演じる
一宮織姫は、重い病気なんですよ?
12
肌がツヤツヤで健康的なんて、説得力がありません!
儚くて、透明で、今にも消えてしまいそうでないと……
13
ただでさえ、演じるのが私なんです!
そんな雰囲気を出すのが難しいんですから!
14
自分で言うんだな……。でも病室だけじゃなくて、
最後には華々しいステージもあるじゃないか。
15
だからですよ! すこしやつれているほうが、
織姫の想いの強さを表現できると思いませんか?
16
百合子の年齢で、過度な減量は禁物だ。今回は
映像じゃなくて舞台だし、雰囲気ならメイクで補える。
17
それに、プロモーションもあるし。やっぱり、
いつもの元気で可愛い百合子のほうがいいと思う!
18
えっ!? か、可愛いとか……プロデューサー
さん、いつもそんなことを考えてるんですか!?
19
え? そりゃ、プロデューサーだし。
百合子はアイドルだし……。
20
軽率すぎます! そういうの、本当に絶対
ダメなんですからね! 仕事中だけにしてください!
22
わかりました、減量はほどほどにします……。
ドリンク、頂きますね。……あ、パッケージ可愛い♪
23
(……とにかく、相当気合いが入っている証拠だな。
最終幕のプレッシャーもあるだろうけど、頑張れ!)