MLTD Archive(β)

夢色式部 周防桃子

音声再生は内部プレビュー専用です。本文はどなたでも閲覧できます。

1
(今日のステージ。桃子は恋の歌を見事に 歌い上げ、大きな歓声の中、ライブは幕を閉じた)
2
桃子、お疲れさま。いい感じだったぞ!
3
もう……お兄ちゃん、今さら何言ってるの? 桃子はプロなんだから、これくらいできて当然だよ。
4
それに、桃子にこの歌を選んだのはお兄ちゃんでしょ? 恋の歌なんて、最初はちょっとビックリしたけど……。
5
でも、思った以上に合ってたよ。 お客さんも、みんな桃子の歌に聴き入ってたし。
6
ふふん。桃子は、女優だからね。 歌うためのイメージトレーニングは、ばっちりだよ!
7
そうか……ちなみに今回は、 どんなイメージトレーニングをしたんだ?
8
もちろん、『源氏物語』のイメージだよ! 桃子は、紫式部の役だったからね。
9
源氏物語って、帝の皇子である光源氏が 大勢の女性と恋をする話だけど……。
10
そうだよ。光源氏ってすごくカッコイイらしいけど、 こんなにたくさんの人を好きだなんて、浮気性だよね!
11
……って、思ってたんだけど。お仕事のために ちゃんとお話を読んだら、すこし変わったかも。
12
へえ……そうなのか?
13
あのね、光源氏って、 小さい時にお母さんが死んじゃったんだって。
14
それで、お母さんに似てる人を好きになったけど、 その人とは結ばれなくて。面影を求めてるんだって。
15
寂しい人だったんだな。
16
うん、桃子もそう思ったよ。だから今日のステージ、 みんなの恋が叶いますようにって歌ったけど……。
17
光源氏も、寂しくなくなるといいなって思ったんだ。 ……お話の中の人だけど。
18
そうか。……桃子のその気持ちは、 きっと届いたんじゃないかな。
19
うん……そうだといいな。
20
桃子はえらいな。撮影や今日のステージのために、 色んな事を調べてきたんだな。
21
も、もう……何言ってるの? お仕事について 事前に調べるくらい、プロなら当たり前だよ。
22
こんな当然のことで、ほめないで! ほめるなら、「かわいかった」って言わなくちゃ♪
23
もちろん、すごくかわいかったよ。 着物風の衣装も似合ってるしな!
24
ふ、ふーん……そう? それならいいけど……えへへ。
25
ふぅ。でも、なんだか疲れちゃった。お兄ちゃん、 桃子着替えるから、ジュース取ってきて♪
ホイールで拡大 / ドラッグで移動 / ダブルクリックで等倍ピンチで拡大 / ドラッグで移動