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(今日のステージは、和風ファンタジーがテーマだ。
桃子は閻魔大王として、ライブを盛り上げてくれた)
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お疲れさま、桃子。会場の片付けも済んだし、
そろそろ引き上げようか。
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あ、お兄ちゃん……もうちょっと待ってて。
桃子、まだ支度が出来てないから。
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い、いいよ、手伝わなくても。
帰りの準備くらい、ひとりでできるってば!
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(桃子、なんだか様子が変だな。
何か隠してるみたいだけど……)
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わかったよ。ところで、今日のライブだけど……
閻魔大王の役、桃子にピッタリだったな。
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ま、まあね。
桃子はプロだもん、どんな役でもこなせるよ。
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それだけじゃなくて……桃子は正直者だしな。
嘘を吐いて、閻魔大王に舌を抜かれたりしないだろ?
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桃子は女優だから、うそなんて、
演技でいっぱいついてるよ。
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うそつきが閻魔大王に舌を抜かれるって、
ただの言い伝えでしょ? 今さら……。
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ね、ねえ。……うそをついたら、
ほんとに、地獄で舌を抜かれちゃうの?
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どうだろうな。今からでも正直者になったら、
もしかすると許してもらえるかもしれないぞ。
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桃子、ほんとは、シール探してたの……。
さっき手帳から出したときに、1枚落としちゃって。
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なんだ……それなら言ってくれたら良かったのに。
ひとりで探すより、ふたりで探した方が早いだろ?
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だって、お仕事に関係ないことだもん。プロなら、
お仕事とプライベートは切り分けないとダメでしょ。
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それは立派な考えだけど、少しは頼ってほしいな。
仕事に関係なくても、これくらいなら手伝えるから。
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そうなんだ……わかった。
じゃあ、お兄ちゃんはそっちの方を探して!
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(その後、ふたりで控室をあちこち探して、
桃子のシールは無事見つかった)
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正直に言ったから、見つかったのかな……?
えっと、お兄ちゃん……ありがと。