MLTD Archive(β)

静と動のプリンス 白石紬

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(今日は、ミュージカルのリハーサル。紬は、突然 士官学校に入れられた元平民の男の子役だが……)
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『もう、クララってばっ』……んんっ。 『もう、クララってば』……。
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お疲れさま、紬。芝居の確認か? 休憩中なのに熱心だな。
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お疲れ様です、プロデューサー。 ええ。もちろん、休んではおりますが……。
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ミュージカルは、一発勝負ですから。 リハーサルも、その緊張感を持って臨まねば、と。
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そうか。でもレッスンの甲斐もあって、 難しい役なのにしっかり演じられていると思うぞ。
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あ、ありがとうございます。 ですが、その……難しい、とは?
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ラファエルは、クララの好意に対して 鈍感っていう設定だろう?
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でも紬は、台本を読んで理解してしまっている。 その上で鈍感な子を演じないといけないんだから。
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たしかに、鈍感なお芝居をすることには、 戸惑いもありましたが……。
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ですが、幸いにも……身近に、 よいお手本がいらっしゃるので。
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その方をよく観察したことで、自ずと…… 鈍感なお芝居を、掴むことができたかと。
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身近に……ん? もしかして、 そのお手本って俺の事か……?
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な、なな……!? なんでわかっ……! い、いえっ! 違いますが……違いますけど!?
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ご、ご自分がお手本になるような人間だと お思いなら、勘違いも甚だしいですからっ!?
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そ、そうか……ごめん。そうだよな、 俺ももっとプロデューサーとして精進しないと……。
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うぅ……なんなん……? 何でこういう時に限って、勘が鋭くなるん……?
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紬、大丈夫か? 本当にごめん。 俺が変な勘違いしたせいで……。
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ほ、本当です! もう休憩も終わりだというのに……!
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プロデューサーの……だらぶち! い、いってまいります!
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