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(歌織さんから、頼みたい事があると
レッスンスタジオに呼ばれた。なんだろう?)
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歌織さん、お待たせしました。
どうかしましたか?
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急にすみません。あの、実は
演技の練習相手をお願いできないかと……。
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はい。今度のお仕事で、私、音楽の先生役を
やらせて頂けることになりましたよね?
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音楽教室で先生をしていた経験はありますけど、
そのままでいいかどうか、わからなくて……。
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なるほど、なまじ経験があるとそうかもしれませんね。
わかりました、手伝います。
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ありがとうございます♪
それでは、よろしくお願いします!
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あ、あれ? 音が違う……こっちかな?
それともこっち? あ、こっちだったか。
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もう、プロデューサーさん。
そんな当てずっぽうで弾いてはだめですよ。
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手は同じ幅に開いたまま、指の動きを覚えるんです。
そうすれば、毎回キーを探さなくてすみますから。
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いいえ、こちらこそ! やっぱり、音楽教室で
小さい子に教えているのとは、勝手が違いますね。
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なので、とっても参考になります。
メモをして……と。
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(歌織さん、真剣だな。これは音楽教室でも
いい先生だったに違いない……)
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ふふっ。
こうしていると、昔を思い出します。
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はい。私、アイドルになるって決めた時、もう
音楽を人に教えることはなくなると思っていたんです。
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でも、違ったんですね。ここは今までのわたしを、
全部出しても出しきれない、そんな素敵な場所でした。
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ありがとうございます、プロデューサーさん。
私を連れてきてくれて……本当に感謝しています。
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こちらこそ……
歌織さんには、感謝しています。
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ありがとうございます。……でも、
指導の手は抜きませんからね。ふふっ♪
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そ、そうでしたね……じゃあ、歌織先生。
もっとピアノを教えてください。
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歌織先生……なんだか、懐かしいですね。
では、歌織先生がしっかり教えますから……。
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一緒にがんばりましょうね、
プロデューサーさん♪ なんて、ふふっ♪
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(その後の練習は、リラックスした演技が見られた。
本番の撮影も、歌織さんが楽しめるといいな)