MLTD Archive(β)

星と月へ

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みんな、今日は第三幕の稽古だ。 本番まであと少し、集中して進めよう!
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どうして、オレ達を殺そうとするんだ!? オレもコイツも、悪いことなんてしてないのに!
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……貴様らが、ヴァンパイアだからだ。 私が剣を振るう理由は、それだけでいい。
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なんだよ、それ…… どうしてアンタ、そんなひどい事が言えるんだよ!?
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オレ達は生きたい! ……ヴァンパイアだって、幸せになっていいはずだ!
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ヴァンパイアが……幸せに……?
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幸せに……ノエル。……ああ……。
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それに、オレもクリスも、人を襲ったりしない! それでも、オレ達を殺そうっていうのなら……!
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エドガー……。
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……人を襲わないという言葉に、 嘘偽りはあるまいな?
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ええ、神に誓って。 ……あなた方の神ではなく、ヴァンパイアの神ですが。
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……どこへなりとも行くがいい。 ただし、ゆめゆめ忘れるな。
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もし貴様らが人を殺めれば、私が…… お前達を地の果てまでも追いかけて、殺す。
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……ああ。わかった。
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感謝します、アレクサンドラ。 お礼に、あることをお教えしましょう。
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……なんだ。
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辺境伯夫人、エレオノーラについてです。
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怒涛の展開だったな。 手に汗握る、とはこの事だ……。
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ううっ……エドガーとクリスが助かって良かった~! 見逃してくれてありがと~、アレクサンドラ~!
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どういたしまして……と、 わたくしが言うのはおかしいですわね? ふふっ。
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次は、いよいよクライマックスですわ。 この物語が、どういう結末を迎えるのか……。
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その目に焼き付けてくださいまし、 プロデューサー!
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あら……珍しいこともあるものね、アレクサンドラ。 貴女が自ら、この城を訪ねてくるなんて。
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……自分の愚かしさを恨む。 貴様の正体に、ここまで気付かなかった事をな……!
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エレオノーラ! いや、ヴァンパイア……! よくも私を騙してくれたな!?
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あら……人間ごときが、私の正体を見破るなんて。 どうしてわかったの? 褒めてあげるわ、ウフフ。
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ひとつだけ聞かせろ。何故ヴァンパイアの貴様が、 私にヴァンパイア狩りを命じた?
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もちろん、淘汰のためよ? たとえ同族でも、私の王国に弱き血族は不要だわ。
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私がこれから作る王国には、ノエルのような、 強大な力を持つヴァンパイアさえいればいいの。
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嗚呼、ノエル……あの力は、まるで私の愛し子……。 あの子を同族に迎え入れた時の、血の歓喜と来たら!
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なっ……貴様が、ノエルをヴァンパイアに!? ではあの晩屋敷を襲い、我が父と母を殺したのも……!
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ええ、そう……私よ? 今でもあの時の高揚を、覚えているわ……フフッ!
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……許さん……許さんぞ、エレオノーラ! その悪逆……我が剣の露となり、散るがいい!
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貴女に私は殺せないわ、アレクサンドラ。忘れて?  私の香がなければ、ノエルは目覚めるのよ。
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でも、それも一興かもね? 目覚めたあの子が、 人の血をすする様を見てみたいわぁ……フフフフフッ!
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くっ……貴様!
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やだ、そんな怖い顔をしないでちょうだい? 心配いらないわ、貴女も私達の血族にしてあげる……。
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そうすれば、姉妹仲良く暮らせるわ。 私たちヴァンパイアの……血と闇の世界でね。
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そのような誘惑に、誰が乗るものか! 滅びるがいい、ヴァンパイア!
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SE
ザシュッ!
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かふっ……。なんて、愚かな、子……。 永遠の時を……我が悠久を、拒むなんて……。
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フフ……後悔するわよ、アレクサンドラ……。 せいぜい、あがきなさい。この、苦しみの世界で……。
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私は、我が妹を……ノエルを信じる。 人間を……人間の心を持つ者たちを、信じる。
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だから、もし、ノエルが人を殺せば……。 ……私が、この手で……人として……。
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お疲れさま、莉緒。 辺境伯夫人エレオノーラの最期、よかったぞ。
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ウフフ、ありがとっ。……さて、私はここで退場かぁ。 悪いヴァンパイアとはいえ、悲しい役だったわね。
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けど、悪女を演じるのって楽しかったわ♪ 本番では、もっと楽しんで演じるつもりよ!
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それにしても千鶴ちゃん、 スゴい迫力だったわ……。
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ああ。 千鶴さんも、アレクサンドラをつかんだみたいだ……。
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……ノエル。起きて、くれノエル。 愛しい我が妹よ……。
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……お姉さま。ああ、お姉さま……! 私、なんだか悪い夢を見ていたようなの……。
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大丈夫だ。ノエル、私がついている。 これまでも……これからも。ずっと……。
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お姉さま……?
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お前にもしもの事があった時は、必ず、私が……。 だから、共に行こう……。
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あれから私達は、 『約束の地』を探して旅をしている。
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エドガーの言う『約束の地』が本当にあるのかなんて、 わからない。けれど、ひとつだけ確かなことがある。
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それは……。
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……エドガー。 アナタといるだけで、私は幸せです。
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ああ。オレもだよ、クリス。 ……にゃはは! なんか照れるな、こういうのって!
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あっ……お、オレ、なんか顔熱くなってきちゃった! 顔洗ってくるな!
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ありがとうエドガー、私を孤独から救ってくれて…… この暗闇に光を射してくれたのは、貴方……。
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貴方と共にいられることが、きっと…… 私の『約束の地』なのですね……。
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みんな、お疲れさま! 本番さながらの素晴らしい仕上がりだったな。
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ありがとうございます。 けれど、これで慢心したりしませんわ!
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ええ。本番までに、より完成度を高めて、 歴史に残る素晴らしい劇にしましょう~♪
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アタシ達みんなで力合わせて、頑張ろうね! 本番が楽しみだな~。
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みんなこんなに頑張ってるんだもの。 きっと本番も大成功、間違いなしよ♪
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そうね~。しかも、この未来の伝説的大女優、 水瀬伊織ちゃんまで出演してるわけだし♪
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プロデューサー、安心していいわよ? 公演の成功は、私が保証してあげるわ! にひひっ♪
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(みんな、いい顔をしている……自信のある証拠だな。 準備は整った、あとは本番を成功させるだけだ!)
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