MLTD Archive(β)

たまには、そんなときもあるの!

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(レジェンドデイズの公演に向けて、スタッフ間の打ち 合わせも大詰め……さあ、もうひと踏ん張りだ!)
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SE
コンコン
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プロデューサー、ちょっといいかしら。
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伊織か。ちょうど仕事が一区切りついたところ だけど……、どうかしたのか?
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どうかしたのか、じゃないわよ。 いつまで待てば、教えてくれるの?
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ん? ええと、すまん、何か約束してたっけ……?
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してなくたって気を利かせるのが、プロデューサー ってもんでしょ!? まったく……ニブいんだから。
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ほら、この前私たち、39プロジェクトの子たちに 手紙を渡したでしょ! ……なにか、聞いてない?
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ああ……、みんなの反応が気になってるんだな。 自分で直接聞いたらいいのに。
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そんなことしたら、私のイメージがこわれるじゃない。 そしたらカワイソウでしょ? あの子たちが!
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そ、そうなのか。でも、俺に聞くのはいいのか? 俺の中の伊織のイメージが……。
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アンタはいいのよ、アンタなんだし、別にカワイソウ じゃないし。……で、なんか聞いてないワケ!?
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でも、特に俺から感想を聞いたりしてないしな……。 手紙を渡した時の様子は見てたけど。
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じゃあ、そっちでいいわ。 渡した時はどんな様子だったか、きかせてちょうだい。
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そりゃ、みんな喜んでたよ。 ものすごく感動してたかな。
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読みながら涙ぐんだり、何度も読み返したり。 やる気もアップしたみたいで、俺としても助かった。
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そ、そう……。
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まあ、当然よね~! この水瀬伊織ちゃん直筆の 手紙なんだから、これで……よかったのよ、ね?
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……何か、思うところがあるみたいだな。 何がそんなに気になるんだ?
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べ、別に……、そんなに気になるっていうほど、 大したことじゃないわ。ただ……。
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ただ、手紙を渡した後で、不安になっちゃったの。 私、こんなことできる立場なのかな、って……。
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伊織……。
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ちょ、ちょっとよ、ちょっと思っただけなんだから! だって……。
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ほんのちょこっとだけだけど、中にはもう 今の時点で、すごいなって思う子もいるし……。
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それにみんな、きっとあっという間に成長するわ。 その時、私たちはもっと先にいないといけないけど…。
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もちろん、私たちだって前に進んでると思う。 でも、なんていうか……。
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今は目の前の仕事に夢中だから、自分たちが どれだけ進めてるのか、よくわからなくて……。
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そっか……。すまない、伊織のそういう不安に 気づいてやれなかったのは、俺のミスだよな……。
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そんなの……気にしなくて、いいけど。
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そんな伊織だから、まあ、そのままでいいと思う。 大丈夫だ!
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はあ!? ちょっと、なによその投げやりな返事は! もっと真剣にアドバイスしたらどうなの!?
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いや、真剣なつもりなんだけどな。だって……。
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伊織は今みたいに、 ちゃんと自分のことも、心配できてるじゃないか。
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え……?
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冷静に後輩の実力を認めて、自分に足りないものを 見つけて、そして前を向いている……。
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しかも、つい最近、初心を思い出したばかり。 これ以上、何をアドバイスしろって言うんだ?
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……。
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そ、そうよね、その通りよねっ。 私にアドバイスなんか、必要ないわよね!
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今はただ、その……。 念のため、確認したかっただけ!
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ああ、その通りだと思う。 というわけで、確認も完了だ。大丈夫!
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これからも、劇場のみんなの永遠の目標になる くらいの、最高のトップアイドルを目指していこう!
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決まってるじゃない! 私は絶対に、トップアイドル になるの。誰にも負けないわ。あの子たちにもね。
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そういうわけだから、とりあえずオレンジジュース、 買ってきてくれる?
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えっ。なぜ……?
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喋りすぎて、すっかりノドが渇いちゃったわ。 それともアンタ、弱ったアイドルを見捨てる気?
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やれやれ、わかったよ。 え~っと、いつものヤツだよな?
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そう、100%のフレッシュオレンジジュース! いつもの絞りたてのをお願いね。にひひっ♪
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(廊下に出た俺を見送る伊織の顔には、すっかり いつも通りの、いたずらな微笑みが浮かんでいた)
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(それはそうと、劇場の自販機にフレッシュオレンジ ジュースの導入を検討するべきだな……)
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