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(ついにクライマックスの撮影……アンドロイド達が、
荒野の過酷な環境に耐えきれず壊れてしまうシーンだ)
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(たとえ壊れてしまっても、守りたかったココロ……。
その切なさを、今の3人なら演じきれるはずだ!)
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あ、ああ!
全力でフォローするから、出しきってこい!
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(すごい……衣装もメイクもまだなのに、アンドロイド
にしか見えないぞ! これは期待できそうだ……)
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カーット! はい……OK!
全シーン、クランクアップです! お疲れさまでした!
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うぅ……とってもディープなインプレッションでした!
このPVこそ、ニューエイジのミラクルです!
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ま、まあまあ、いいPVになったんじゃない?
ストーリーも、なかなかよかったかな……ぐすっ。
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も、桃子、別に泣いてないし!
お兄ちゃんこそ、最後のシーン泣いてなかった?
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いや、それはその……。何にせよ、ふたりの協力で
素晴らしい作品になったのは確かだな! うん!
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ロコのセンスがインフルエンスした結果ですよね?
我ながら、パーフェクトワークでした♪
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ロコさんだけじゃないよ、桃子の演技指導のおかげも
あるんだから。そうだよね?お兄ちゃん!
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ああ、もちろんだ!
それと……主演の3人の、頑張りの結果かな。
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もちろん、イグザクトリーです!
ロコとモモコは、あくまでサポートですから。
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桃子だって、主役を押してまで出しゃばるほど、
空気読めなくないよ。ライブ、楽しみだね。
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ありがとう、ふたりとも!
そうだな、この勢いで公演も成功させたいところだ。
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周防さん、ロコさん。
おふたりとも、お疲れさまでした。
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3人とも、お疲れさま。今ふたりと、
すごくいいPVになったって話してたところだよ。
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ミズキ、シホ、ツムギ!
アメージングなパフォーマンスでしたよ♪
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うん。セリフなしの演技なのに、よくできてたね。
桃子、けっこう感動したかも……。
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ありがとうございます。
おふたりにそう言っていただけると……? 真壁さん?
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すみません。少し、考えごとをしていました。
大したことではないのですが……。
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大した事じゃないって……そういう顔には見えないな。
今回のPVで、何か気になる事でもあるのか?
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なんと。プロデューサーには、私のココロが
読めてしまうのでしょうか。……ドキドキ。
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そんな特殊能力があるわけじゃないが……
そうだな。少し、向こうで話そうか。
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はい。白石さん、北沢さん、すみません。
おふたりは、先に……。
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わ、私達は、3人でひとつのユニットです。
真壁さんの悩みは、私達の悩みでもあります。
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それに、この前、遠慮するなと言われましたから。
……そうですよね、瑞希さん?
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北沢さん、白石さん……わかりました。
プロデューサー、いいですか?
41
瑞希がいいなら、かまわないよ。
じゃあ、ロコと桃子は……。
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オッケーです、プロデューサー!
ロコ達は、先にシアターに戻ってますね。
43
うん。瑞希さん達の、ユニットの話だもんね。
桃子達、劇場で待ってるから!
44
ああ、ありがとう。
それじゃふたりとも、後でな!
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さて、この辺でいいか……瑞希、どうしたんだ。
PVはいい出来だったと思うが、何か不満があるのか?
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プロデューサー。
実は、そのPVのことで、不安になりました。
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今日の撮影、思ったより緊張していたので……
カメラテストは、ほとんど演技をせずにいたのです。
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そうしたら、監督が「真壁さん、それでいこう!」と。
……結局、あまり演技はしていません。素。
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表情も、声も、ほぼ普段のままでした。
いつもどおりにしていたのに、結果は……大絶賛。
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そ、そうか……それで戸惑ってしまったのか。
でも普段どおりでいいなんて、すごい事だと思うけど。
52
そうでしょうか。もしかして私は、
自分が思っている以上に、無表情なのでは……。
53
アイドルは、人に心を伝える素敵な仕事です。
けど、無表情な私に、心を表現できるのでしょうか。
54
プロデューサー。私は本当は、
アイドルに向いていないのではないでしょうか。
55
そんな……真壁さん、それは私だって同じです。
心を、上手に伝えることなんて……。
56
……それなら、私も多分、向いてないでしょうね。
でも、私には……。
57
ち、ちょっと待ってくれ。みんながアイドルに
向いてない前提で、話が進んでるようだが……。
58
それは違うぞ。
むしろこの3人は、アイドルに向いてるんだ!
59
プロデューサー。
向いているとは、どこがでしょうか。
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確かにこの3人には、他の人から見たら
表情の変化がわかりにくいところもあるけど……。
61
プロデューサーさん。
このタイミングで、ダメ出しですか?
62
貴方という人は、なんと冷酷な……。
見損ないました。
63
いや、これは前置きだ! ……でも、そんな3人だから
こそ……わかりたくなるんじゃないかな。
65
心を伝えるっていうのは、
感じ取ってくれる人がいてこそ、だよな?
66
理解したい、寄り添ってあげたい……ファンが自然と
そう思えるなら、それはすごいことなんじゃないかな?
67
ファンの人達が、自然と寄り添いたいと……。
私達は、そんな風に思ってもらえているのでしょうか。
68
思ってくれてるよ。黙っていても……いや、
黙っているからこそ、人を惹きつけるんだと思う。
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3人には、そういう魅力があるんだ。
だからこそ、このユニットを提案したんだよ。
70
黙って人を惹きつける……。
それが、クール系美少女ユニット……。
71
そういうことだ。それに、PVを見た
ロコや桃子の反応をみんなも見ただろ?
72
ふたりともすごく感動してた。監督やスタッフさんも。
3人の心が、みんなに伝わってる証拠じゃないかな。
73
そう、ですね……。ロコさんや周防さんは、
ウソをつくような方々ではありません。
74
お世辞を言うタイプでもないですね。
監督さんや、スタッフの人達も……。
75
そうでしたか。みなさん、私達のことを理解しようと
してくれていたんですね。……うれしいな。
76
プロデューサー。ありがとうございます。
なんだか、やる気が出てきました。
77
クール系美少女として、これからも
ずっと無表情、かつ無言でいようかと思います。
78
いやいや、そういう事じゃないからな? でも、
わかってくれたならよかった。公演、頑張れそうか?
79
はい。これまで以上に、頑張れそうです。
……おふたりにも、ご心配をおかけしました。
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気にしないでください。……ユニットなんですから。
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はい。私達のステージをご覧になる皆様に、これからも
感じていただきましょう。……クール系、美少女を。
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(アイドルは、心を伝える素敵な仕事……か。
それが瑞希にとってのアイドルなんだな)
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(不器用で難解で、だからこそ放っておけない。
そんな3人の魅力が伝わるよう、俺も力を尽くそう)