MLTD Archive(β)

名探偵?ウォーカーの活躍

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どういうことなんだ、紬? 琴葉の台本を盗んだ犯人が、この中にいるって……。
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はい。そしてこの名探偵ウォーカーには、 それが誰であるかも、わかっています……。
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それは……プロデューサー! 貴方ですっ!!
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ええっ!?
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なんと。プロデューサーが 犯人だったのですか。……衝撃の事実。
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いやいや、やってないぞ、そんなこと!
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つ、紬ちゃん……どうしてそう言い切れるの? なにか、根拠があるのよね?
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無論です。私達が更衣室を後にするとき、 プロデューサーがこの部屋を施錠しました。
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う、うん……そうだけど。
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すなわち、この部屋から台本を持ち出せるのは 扉を開けることが可能な人間だけ……。
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つまり、カギを持っていたプロデューサー! 貴方が犯人で、間違いありません!
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えっ?
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…………。
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ま、まさか……理由は、それだけ?
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はい。 ……あ、あの。いけなかったでしょうか?
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いけなくはないけど、理由としては弱いんじゃない? それに……。
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はっ! ……い、いえ! もうひとつ、 プロデューサーには立派な動機があります。
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動機が……あったっけ?
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はい。プロデューサー、貴方は、田中さんが 何か悩んでいるようだと、気にかけていましたね。
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!
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ですが、貴方にはその理由がわからなかった。そこで 台本をのぞき見し、悩みの原因を探ろうとしたのです!
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そんな……。
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担当アイドルの様子を気にかけるのは、 プロデューサーとして立派な態度かもしれません。
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悩みを解決してあげたい、その気持ちも理解できます。 ですが、それでも台本を盗むなどというのは……。
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その前に、せめてひとこと相談してくだされば……。
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ま、待ってくれ! なんだか同情されてるけど、 俺は琴葉の台本を持ち出してなんかいないぞ!?
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っていうか……ねえ、紬さん。お兄ちゃんは、 桃子たちとずっと一緒にいたじゃない。
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更衣室に戻って琴葉さんの台本を持ち出す時間なんて なかったと思うんだけど?
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そうよね。それに、琴葉ちゃんが悩んでいたとして、 その内容をわざわざ台本に書いたりするかしら?
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そうですね。それにプロデューサーなら、 直接、私たちに悩みをきいてくれるのではないかと。
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えっ……。
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そ、そんな。 では、いったい誰が犯人だというのですか?
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琴葉ちゃん、琴葉ちゃん…… あっ、よかった! ここにいた~!
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あっ、美咲さん?
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はい、これ! 琴葉ちゃんの台本だよね?
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さっき片づけに入ったとき、間違って 雑誌と一緒に持ち出しちゃって……ごめんなさい!
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えええっ!? け、けど、更衣室にはカギが……。
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更衣室のカギは、事務室にも置いてあるんだ。 持ってるのが俺ひとりなんて、不便すぎるだろう?
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…………!!
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あの……どうかしたんですか? 紬ちゃん。
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いえ、ちょっと……き、気にするな、紬! さっきのセリフ回しとか、けっこう探偵っぽかったぞ!
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ほ、ほうっておいてくださいまし! ……もう~、なんなん~!!
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あ、あはは……。 とにかく、これで一件落着ってことよね?
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あっ……待ってください。元はといえば、 私が台本を忘れてきてしまったのが悪いんです。
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そのせいで、みんなを混乱させてしまって……。 本当にごめんなさい。
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そんな事はないけど……でも琴葉、 本当に何かあるなら、話してみてくれないか?
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悩んでいる事があるなら、相談に乗るから……。
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いえ、それは……。
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もう……鈍いなぁ、お兄ちゃんは。琴葉さんも、 この際だから、はっきり言ったほうがいいと思うよ?
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そうでないと、この先の稽古が進まないと思う。 琴葉さんも桃子も、もちろん、みんなもね。
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桃子ちゃん……。 うん……そうだよね……。
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……プロデューサー。 私を、みんなとの稽古から外してほしいんです。
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えっ!? 琴葉、それは一体どういう……。
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今回私がいただいた役は、劇場の新人女優です。 まだ仲間には、心を開いていない……。
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だから……いつものようにみんなと一緒だと、 どうしても役の気持ちになりきれないことがあって。
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ごめんなさい。私のワガママだってこと、 わかってはいるんです。けど、今は……。
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いや、ワガママだなんて、そんな事はないよ。 そうか、そういう理由だったのか……。
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はい……すみません……。
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それじゃ、撮影開始まで……全体練習への参加は、 任意とする。もちろん、全員だ。
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それがいいと思うよ。 桃子も、ひとりの練習時間、欲しかったしね。
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そうよね……たしかに、ひとりの練習時間も必要だわ。 何しろこのお話、大変なことになっちゃうんですもの。
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えっ、そうなんですか?
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あれ? 青羽さん、台本読んでないんですか? 実はですね……。
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ネタバレ禁止っ!
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わっ!? す、すまない……そうだった、 危うく社長の二の舞になるところだった……。
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プロデューサー、ありがとうございます。 紬ちゃん……みんなも、本当にありがとう。
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い、いえ。私は、何も……。
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私、この作品を最高の映画にするために 一生懸命がんばります! 見ていてくださいね♪
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(ハプニングもあったが、最後は上手くまとまった。 これでみんな、稽古に集中できるだろう……!)
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