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(今日は『屋根裏の道化師』の衣装合わせ……
ついでに、仮衣装を着て通し稽古を行うことになった)
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あの……プロデューサー。
い、いかがでしょうか……?
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おお……似合ってるじゃないか、紬!
うん、これなら探偵らしく見えるな。
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探偵らしく……ですか? つまり、
これまでは探偵らしく見えなかったと……?
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い、いや、そうじゃなくて……。
更によくなった、って事だよ。
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そうだよ紬ちゃん、自信を持って。
衣装も、すごく似合ってるから。
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そんな……恐縮です。
あの、田中さんも、たいへんお美しいと思います。
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美しいだなんて、照れちゃうな……
でも、ありがとう。ふふっ。
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でも……だったら、なおさらいいお芝居をしないと。
この衣装を用意してくれた人たちのためにも……。
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どうしたんだ、琴葉。
衣装、どこか合わなかったか?
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……うん。この衣装に袖を通したら、なんだか
本当の大女優になったような気がしてきたわ!
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『ああ。やっぱり舞台は私の生きがいだわ……!
それに、素敵な殿方の視線を集めるのも……ね?』
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『ええ、シンシアさん。
あなたこそ、舞台の花と呼ばれるのに相応しい……』
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形から入る、というのでしょうか。衣装を着ると、
普段より、すんなり役になりきれる気がします。
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まあ、そんなに単純じゃないと思うけど……。
衣装によって、キレイに見える動きとかあるしね。
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この衣装なら、スカートを引っかけないようにとか。
そういうのを意識しておくのは、正解だと思うよ。
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なるほど……。
やっぱり経験者、目のつけどころが違うわね!
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とても参考になります。もっと聞きたいです。
周防さん……いえ、周防先生。
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でも、みんながそんなに言うんだったら……
桃子の知ってる事でよければ、教えてあげる。ふふん♪
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形から、入る……。
普段から……意識を……。
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つまり、舞台の外でも自分を探偵として考え……
探偵として行動するべき、と……!?
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おっと、そろそろ時間だな。
じゃあみんな、劇場のほうに移動してくれ!
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それじゃ、琴葉のシーンからだな。
琴葉、準備はいいか?
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ごめんなさい、台本を忘れてきてしまって……
あの、取りに戻ってもいいでしょうか?
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ああ、それなら俺も行くよ。
更衣室を出るとき、カギをかけてきたからな。
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はい。
確かに、ここに置いていたはずなのに……。
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……お兄ちゃん、琴葉さん。
そろそろ、練習始めるよ。
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なんだ、みんな来ちゃったのか。
実は、琴葉の台本が……見当たらないんだ。
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えっ、なくなっちゃったの?
でもこの部屋、カギはかかってたんでしょ?
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密室から消えた台本。……イリュージョン?
それとも、ミステリー、でしょうか。
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紬、どうした?
急に大きな声を出したりして……。
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しっ! ……勝手な発言は控えてください、
プロデューサー。
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この部屋にいるのは、全員この事件の重要参考人……
すなわち、容疑者なのですから!
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よ、容疑者だって!?
紬、それはいったい……。
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今の私は、白石紬ではありません。
私は名探偵ウォーカー……。
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そして今、私がすべきこととは!
この複雑怪奇な事件の謎を解き明かすことです!