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(……ん? レッスン室から、音がするな。
この時間、予定は入ってないはずだけど……)
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ふぅ……。今のはいい感じだったぞ!
もう1回やろっと!
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誰かと思えば、響か。ずいぶん早いんだな。
レッスンの時間まで、まだ1時間もあるのに。
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もっとカンペキになるために、自主練してたんだっ!
自分、みんなのお手本にならないといけないしね!
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そうか、感心だな。それはそうと、ちょうどよかった。
響に、聞いておきたい事があったんだ。
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最近のみんなとの合同レッスン、かなりハイペース
じゃないか? 何か理由があるのかと思って。
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なんだ、そのことか~。
うん、自分も、ちょっと厳しいかもって思ってる。
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けど自分は、みんなに自信を持ってほしいんだっ!
特に、奈緒にね!
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うん。奈緒って、自分と似てるとこあるからさ。
地方から出てきてるとか、にーにーがいるとか。
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地元を離れるのって、すっごく寂しいでしょ?
それに、心配なこともいっぱいあると思うんだ。
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自分ホントに、トップアイドルになれるのかなーとか。
その前に、アイドルやっていけるのかな、とかさ!
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うん。でもね、アイドルとしてちゃんと成長すれば、
そういう不安は、だんだんなくなっていくんだっ。
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そのためにも、自信が必要なんだぞ!
だから自分、みんなに自信をつけたいんだ!
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なるほど。響は奈緒達のために、
色々考えてくれたんだな。
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えへへっ、トーゼンさー。
だって、自分達みんな、家族だからね!
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奈緒は、みんなのことが心配なんだよね。
自分、奈緒のそういう優しいとこ好きだぞっ!
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でも、優しいだけじゃ、
トップアイドルにはなれない。そうでしょ?
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それで自分、心をオニにして、
みんなに厳しくしてるんだ!
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ああ、響の考えはよくわかったよ。
優しくて頼りがいのある、いい先輩なんだな。
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えっ!? そ、そんなこと……あるけど……。
……な、なんか照れるぞ~!
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奈緒! それに、みんなも……
どうしたんだっ!?
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私達、早めにレッスン室に来て、
4人で練習しようって約束してたんです♪
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ちょっとでも……響さんに、
追いつきたかった……から……。
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レッスン室に入ろうとしたら、響ちゃん達の声が
聞こえたから、つい立ち聞きしちゃったの。ゴメンね。
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全部聞かせてもらったで! 響、私らのこと、そんなに
考えてくれてたんやな……響は最高のセンパイや!
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うぎゃー! どうしようプロデューサー!?
こんなの……恥ずかしすぎるー!
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響ちゃんは、私達のこと信頼してくれているのよね?
なら、その信頼に応えなくちゃ!
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……響さんのレッスン……、厳しいけど……、
杏奈……最後まで、ついて行くよ……!
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みんなで、もっと、もーっとがんばって、
楽しいライブにしようね♪
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みんな……。わかった!
自分、もう恥ずかしがらない!
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みんな、覚悟はいいんだね!
それじゃあ、これからしっかり、自分についてきて!
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……今の、響のお腹の音やろ。
もしかして、ごはん食べてないん?
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じ、自分のお腹の音じゃないぞ!?
お腹とか、全然空いてないしっ!
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今日はちょっと、忙しかったから……
お昼ごはんが足りなかっただけっ。
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お腹の音ぐらいで、恥ずかしがらんでもええって。
私、おにぎり持ってきてるけど食べる?
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前にも言うたやろ? 大阪人は優しいねん♪
いっぱいあるから、みんなも食べる?
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ありがとう、奈緒ちゃん♪ それじゃお礼に、
ってわけじゃないけど……お菓子をどうぞ♪
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おやつにみんなで食べようかなぁと思って、
スコーンを焼いてきたの♪ クリームもあるよ。
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わぁ、スコーン!? オシャレですね!
私、クリーム大好きです♪
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えっと、私は……あ、あった!
今日は、アメいっぱい持ってきたんです♪
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杏奈……ガム……、持ってるよ……。
これも食べよう……♪
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おにぎりとスコーン、アメにガムか。
食べ合わせが悪い気もするけど……。
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みんなで食べれば、そんなん関係ありませんって♪
さ、食べよ食べよ! 私、ハラペコや!
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えへへっ、いただきまーす!
……うん、このおにぎり、おいしいぞ、奈緒!
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せやろ! アニキ、おにぎり握る才能あんねん。
ゴール決める才能も、ボチボチやけどな!
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風花さんのスコーンも、
とっても、とーってもおいしいです♪
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杏奈……シフォンケーキ、作れるようになった……。
でも……それしか、作れない……。
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こういうお菓子も……、
作れるように……なりたいな……。
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ふふっ、お菓子作りが好きになったのね、杏奈ちゃん♪
良かったら、スコーンの作り方教えようか?
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ほんと……? うれしい……。
ありがと……です……♪
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(レッスンの合間の、おにぎりとお菓子のパーティー。
不思議だけど、いい時間だったな)
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(響の本音を知ることで、
皆の心が一つになれた。そんな気がする)