1
(『おとぎの国の物語』の稽古が始まった。
さて、みんなの様子はどうかな……)
2
それじゃ、次はシーン8から始めるね。
少女がオオカミと森の中で出会うシーンだよ!
3
あれ? なんだか見たことのない景色……。
もしかしてわたし、道を間違えちゃった……?
4
ど、どうしよう……帰り道が、
わからなくなっちゃいました……うぅ……。
8
ん? ……わぁ!? ににに、人間っ!!?
どどど、どうしてこんなところに人間がいるんだ!?
9
あっ! 耳に、尻尾……。もしかしてあなたは、
森に住んでるっていうオオカミさんですか?
10
ぎくっ!? じ、自分はオオカミなんて
名前じゃないぞ! ビッキーだ!
11
ビッキーさん……そうですか、はじめまして!
わたしは、リカっていいます!
12
あ、はじめまして……って、うぎゃー! そうじゃ
なくて! に、人間なんか、ちっとも怖くないぞー!
13
響、星梨花、お疲れさま! 初めての読み合わせ
にしては、ふたりとも良かったんじゃないか?
14
姫もそう思うのです。特に響ちゃんの
びくびくオオカミさん、きゅーと!だったのです。
15
ん? ……ねぇまつり、
今の、自分、ほめられたんだよね?
17
響さん、お疲れさまでした!
人間がこわいオオカミさん、とっても面白いですね!
18
そうかなぁ? せっかくオオカミなのに、自分、
なんかカッコ悪くないか……? 桃子、どう思う?
19
え? 桃子にそんなこと言われても……
この話のオオカミは、そういう役なんだし。
20
うーん、そっかぁ。
ヘンじゃなければいいんだけど。
21
変じゃなければ……う~ん。
たしかに、オオカミとしては変かもしれないけど……。
22
やっぱり、桃子もそう思う?
うーん、どうしたらヘンに見えないかなぁ。
23
なあなあ、桃子。
オレもちょっと聞きたいコトあるんだけど、いい?
25
旅人って、どう不思議なのかよくわからなくってさ。
記憶喪失ってだけで、不思議な感じが出せるのかな?
26
う、う~ん、それは……。
昴さんが、旅人さんの気持ちになってみないと……。
27
旅人の気持ちか……
記憶喪失って、どんな気持ちなんだろうな~?
28
う……。それは、けっこう難しい……かも。
桃子も、記憶そうしつになったことないし……。
29
そうだよな~。いくら桃子でも、記憶喪失には
なったコトないよな! オレだってないんだし!
31
も、桃子ちゃん……。プロデューサーさん、
わたし、余計なことを言ってしまったんでしょうか?
32
(悩んでいる桃子を見て、星梨花も気を落としている。
レッスン場全体が重い空気になってしまったな……)
33
響ちゃん、心配することないのです。
びくびくオオカミさんは、心が優しいだけなのです!
34
そうですよね?
プロデューサーさん、桃子ちゃん。
35
あっ……う、うん。このオオカミは、
臆病だけど、優しい、いいオオカミだと思うな。
36
そうだよね!? 自分もそう思ってたんだ!
カッコいいかは別として、良いオオカミだと思うぞ!
37
わたしも、ビッキーさんはとっても優しい
オオカミさんだと思います!
38
姫も、そう思うのです。
それから……昴ちゃん!
40
オオカミさんも旅人さんも、ひとりじゃないのですよ。
映画はみんなで作るもの。みんなでお芝居するのです。
41
まだまだ、時間はあるのです。
旅人さんについて、どんどん研究しましょー!
42
まつり……そうだよな! オレ、もっと旅人の
気持ちがわかるように、がんばらなくちゃな。
43
姫たちの練習は、始まったばかりなのです。
桃子ちゃん、これからも指導よろしくなのです♪
44
えっ? ……あ、うん、わかった!
みんな! 厳しくいくから、覚悟しててね!
45
(まつりの一言をきっかけに、みんなの気持ちが
上向きになったな。この調子で進めていこう!)