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(芝居の稽古を始めて、2週間が過ぎた。今日は
劇場のステージを使って、初めての通し稽古だ)
2
(心なしか、桃子が緊張しているように見えるな……)
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プロデューサー!
全員そろったから、始めるね!
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(主人公は、仲の良い二人姉妹。母親が病気のため
遠方で入院中。両親と離れ、二人で暮らしている)
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も~、真珠星(スピカ)ちゃん!
どうして起こしてくれないの~!?
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私は起こしたよ! 織姫(おりひめ)お姉ちゃんが、
勝手に二度寝してたんでしょ。
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お姉ちゃんが縦に起きるまで、
ちゃんと見てって言ったじゃ~ん!
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知らないよ!? それよりいいの? もう7時45分
だけど、今日はバイト8時って言ってなかった?
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よくない~~っ!
ああっ、お父さんに電話したかったのにぃ!
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今日は私がしておくから。
行ってらっしゃい! 車に気を付けてね!
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うんっ、行ってきます!!!
帰りはいつもと同じだからっ!
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まったく、毎日慌ただしいなぁ……。
さてと、お父さんに電話しなくちゃ。
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もしもし、お父さん?
うん、お姉ちゃんはバイトに行ったよ。
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大丈夫! 心配しなくても、こっちは元気に
してるってば。それより、お母さんの具合はどう?
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うん、うん……そっか。
それじゃ、また夜にね。
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……私も、学校に行かなくちゃ。
夕ご飯、何作ろうかな……。
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たまにはお魚が食べたいけど、高いし……
うーん、今日も特売の鶏むね肉かな……。
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はぁ……貧乏って辛い。お姉ちゃんはあんなだし、
やっぱり私が勉強して、いい大学にいかないと。
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そうしたらお母さんの病気も、
治せるかもしれないもんね……。
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ただいま~っ!!! ねえねえ真珠星、
聞いて聞いてっ! 私、今日、スカウトされたの!
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あのね、アイドルのマネージャーさんなんだって!
名刺ももらったよ、ほらっ!
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もう、多分じゃわからないでしょ!
貸して、調べてあげるから。
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えっと、御梨音(みりおん)プロ……あ、出てきた。
電話番号は……あってる。
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ま、まだわからないでしょ! 電話するから待ってて!
……あ、もしもし、御梨音プロさんですか?
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そちらに、神宮寺さんという方は……いらっしゃる?
あの、マネージャーさんって本当ですか?
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あ、そうですか……はい。
ありがとうございます……。
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いいと思うけど……でもアイドルって、レッスンとか
けっこうお金が掛かるんじゃなかったっけ?
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研修生になるにはお金が掛かるらしいんだけど、
マネージャーさんが紹介してくれるからタダだって!
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へー、そうなんだ。まぁ、
お金が掛からないならいいんじゃない?
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あ、でもお父さんとお母さんには自分で報告してね。
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わかった、電話するっ!
……あ、もしもし、お父さん? 私っ!
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姉はアイドルになると、
あっという間に注目される存在になった。
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そう。
文字通りの、『スター』になったのだ。