MLTD Archive(β)

姉と妹

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アイドルになった織姫は、 まずデュオとしてデビュー。
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その秘められた才能を発揮。 瞬く間に、スターの座を駆け上がっていった。
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それはもう、誰もが驚くほどの早さだった。
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ちょっと、織姫? アンタ遅れてきたんだから、 さっさと準備しなさいよ! 今日は生放送なんだから!
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他のみんなはもうとっくにリハ終わって、 スタッフさん達、アンタ待ちなんだから。
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うん! ごめんね、藍(らん)ちゃん!
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織姫、ちょっといいかしら。
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はいっ、神宮寺さん!
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引っ越しの件、ちょうどいい部屋が見つかったから。 早速、今晩からそこに行ってもらう。
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とりあえず貴方達は、必要なものだけ持っていって。 後は業者に任せて運んでもらう。それでいい?
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はいっ! 神宮寺さん、何から何までありがとうございます!
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……なんか織姫ちゃんって、マネージャーさんに すっごい贔屓されてるよね……。
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わかる、なんか特別って感じだもんね。
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藍
……。
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生放送終了後……
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藍
ほんっっと、何考えてるのよ、アンタ!!!
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ごめんなさい~!!!
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藍
ステージに出ていくなり、躓いて転ぶとか…… そんなアイドル、一体どこにいるっていうのよ!
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こ、ここにいま~す……えへへ……。 まさか、段差があるとは思わなくって……。
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藍
本番であんなミス……はぁ、信じらんない。
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藍
アンタほんと、アイドル舐めてんの? この世界、そんなに甘いもんじゃないんだからね!
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わかった! 次は、ちゃんと気を付けるから!
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藍
……そうやって無邪気に『次』なんて 言ってられるのだって、今のうちだけなのよ。
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へ?
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藍
もういいわ、バカバカしい。 ……いつか絶対、アンタより上になってやる。
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? でも藍ちゃんの方が、 歌もダンスも私より上手だよね?
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ていうか、今日出演してた人たちの中でも、 一番上手だったと思う!
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藍
! バカ! 声が大きい!
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あっ……ごめんなさい、えへへ。
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藍
……とにかく、あんな低レベルなみっともないミス、 二度としないで。わかった!?
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うん、わかった! ごめんね! がんばる!
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……。
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……
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じゃーーーん! どうどうっ、真珠星! すごくない!?
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すごいけど…… これ、家賃払えるの?
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事務所が出してくれるんだって! すごいよね~! 今までのトコだと、セキュリティがなんとかって。
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まあ、確かに最近はひどかったけど……。
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ご、ごめ~ん……。
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織姫お姉ちゃんが謝ることじゃないでしょ。 悪いのは、押しかけてくるファンの人たちだし。
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それに、私の部屋ももらえたしね。 落ち着いて勉強できそうで、うれしいな。
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うんっ、そうなんだ! ねえ、真珠星は今、何の勉強してるの?
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えっ? えっと、これは理科だよ。 生物かな。
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ふーん、そっかぁ。 ……あはは、全然わかんないや!
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真珠星は賢いねえ。 こんな難しい勉強ができて、えらいねえ。
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別に……そんなことないよ。それに、 お姉ちゃんだって、いろんなことできるじゃん……。
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……ね、真珠星。お姉ちゃん、がんばって働くから。 いっぱい勉強して、好きな学校に行きなね!
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えっ……。
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私は、勉強得意じゃないからさー。 その分、真珠星にがんばってもらおうっと。
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あ……あのね、お姉ちゃん。
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ん、なに?
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……私、お医者さんになりたいんだ。 お医者さんになって、お母さんの病気治したい。
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えっ……そうなんだ!? すごーい!
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うん……。
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真珠星はほんと、私の自慢の妹だよ!
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うん……ありがと。
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あ、お母さんで思い出した。 私、明日ちょっと病院行ってくるね。
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え? だったら私も行くよ。
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真珠星は学校でしょ? お仕事の書類に、ハンコを もらうだけだから。また今度、一緒にお見舞い行こ!
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……わかった。
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そうだ、今度マネージャーさんに会わせるね! びっくりすると思うよ!
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びっくりって、何が?
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えへへ、秘密!
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…………
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……本当に、いいのね? 始めてしまったら、後戻りはできないのよ。
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わかってる。でもこれでいいの。
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……後悔するわよ。
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……そうだといいね。
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