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私を、アイドルにしてもらえませんか?

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真珠星誕生から十数年後……
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では、海外進出を考えている例のアイドル グループは君に一任したい。問題ないね?
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はい、任せてください。来期の展望含めて、 すぐにプランを作成します。
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助かる。 ……くれぐれも無理せずに、な。
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大丈夫です。 何も、問題ありません。
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ふう……もう月末か。そうだ、今のうちに お姉ちゃんの口座に送金を……あれ?
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? メール……お義兄さんから? 珍しいな……?
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「七星さん、久しぶり。実は白鳥が重い病気で、 長いこと入院生活をしているんだ」
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「今まで本人から口止めされていたんだけど、 もう危ないかもしれない。なので、妹の君に……」
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……!
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お姉ちゃん……っ!
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七星!? ……もう、あの人でしょ。お節介なんだから。
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お姉ちゃん……どうして、 こんな大事なこと黙ってたの……!?
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……だって。約束、したじゃない。 真珠星を、ちゃんと育てるって。
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七星の代わりに……私が……。
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お姉ちゃん……。
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……ごめんなさい、七星。真珠星が大人になるまで、 育ててあげられそうにない。本当にごめんね……。
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……どうして、お姉ちゃんが謝るの……。
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お姉ちゃんが謝ることなんて、何もない! 私のほうこそ、頼ってばかりでごめんなさい……。
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それこそ、気にする必要なんかない。 私は、七星のお姉ちゃんだもの。
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真珠星のために、お金だって送ってくれてるじゃない。 ありがたく貯めさせてもらってるんだから。
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……じゃあそれは、お姉ちゃんの治療費に使って。
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真珠星や織姫のことは、私に任せてくれていいから。 お姉ちゃんは治療に専念して。
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七星……真珠星に会う気になったの?
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そうじゃないけど……方法なら、あるもの。
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お疲れさまでした~! ふう、今日もバイト頑張ったな~……ん?
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……久しぶり、織姫。 私のこと、覚えてるかな。
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! 七星叔母さん、ですよね……? お母さんの妹の……!
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覚えててくれたんだ……よかった。 ちょっとだけ、時間ある?
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お義兄さん……お父さんから聞いたよ。 お母さんが病気で、大変だって……。
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織姫が、家のためにバイトを掛け持ちしてるって 聞いた。私も援助するし、生活費の足しに使って。
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わあ、助かります。 ありがとうございます!
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……あのっ! お金もありがたいんですけど、 実は、お願いがあって……。
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お願い……?
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お母さんから聞いたことあるんです。 叔母さんは、アイドル事務所でお仕事してるって。
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私を、アイドルにしてもらえませんか?
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織姫を、アイドルに……?
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はい! 妹は……真珠星は小さいころ、 アイドルが好きだったんです。
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「あのね、アイドルはみてる人を 元気にするんだよ。すごいよね」って。
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そんなことを……。
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小さいころは、「アイドルになりたい」って 言ってたんです。でも、お母さんが病気になって……。
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……。
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そのせいか、今はお医者さん目指してるみたいで。 勉強ばっかりして、いつも難しい顔してるから……。
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私、何かできることないかなって考えてたんですけど。 アイドルなら、真珠星を元気にできるかもって!
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それに、私がアイドルになれたら、真珠星だって 「自分もなれるかも?」って、また思うかもだし!
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……。
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私、なんでもします! 真珠星を、元気にしたいんです!
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なんでも……。
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はい!!
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(性格的に優しくて、他人が望む事に100% 応えようとする。奉仕精神の塊みたいな子……)
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(その分、自我が薄いようだけど……サービス精神 旺盛なところは、ある意味アイドルに向いているわ)
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(危うい反面、天性のアイドル向きとも言える。 そしてこのビジュアル……)
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あ、あのー……?
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(……皮肉ね。日本も海外も飛び回ってきたのに、 こんな身近に、ダイヤの原石が眠っていたなんて)
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やっぱり、ダメですかね? そ、そうですよね、突然こんなお願い……。
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採用よ。 スカウトという形で構わないわね。
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え……ええっ!? そ、それじゃあ……!
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面倒を避けるために、血縁であることは 社長以外には秘密にしましょう。
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デビューまでの一切は任せなさい。あなたなら きっと、トップアイドルにだってなれるわ。
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……! よ、よろしくお願いしますっ!
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