MLTD Archive(β)

『I.V.』VS新生『I.V.』

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(お姉ちゃんが望んだのは、御梨音プロ主催の フェスでの、ふたつの『I.V.』の直接対決……)
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(オリジナル『I.V.』の織姫お姉ちゃんと、新生 『I.V.』の私、藍さん、なるちゃん、クロエさん)
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(ふたつの『I.V.』が同時にパフォーマンスをし、 観客の投票で結果を決める。それが『勝負』だった)
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ワン、ツー、スリー、フォー、 ファイブ、シックス、セブン、エイト!
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ふう。さすがに久しぶりだから、 体硬くなっちゃってるな~、アハハ!
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そんなこと言って、私より全然動けてるし…… ていうか、本当に病気なの……?
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藍
この短期間で、もう取り戻すとはね。センスだけは 図抜けてるんだから……本当、ムカつく。
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えへへ。本当はもう一回、藍ちゃんと一緒に 『I.V.』やりたかったんだけどね。
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え? そうだったの?
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うん。でも、フラれちゃった! だからオリジナル『I.V.』は、私ひとりなんだ。
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藍
当然でしょ。現役の時も尻拭いさせられたのに、 またアンタの世話なんてお断りよ。
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藍
最後くらい、アンタを蹴り飛ばして やらないと気が済まないわ。
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えーっ!? 藍ちゃんひどいよ~!
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藍
ひどくない。大体、真っ当にやってきたのに、 炎上に巻き込まれる身にもなれっていうのよ。
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藍
そういえば真珠星も炎上してたし…… アンタたちってホント、似た者姉妹ね。
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あ、あれは私は悪くないから! 真田湊のせい!
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でも、『I.V.』対決ライブの反応は、 そんなに悪い印象ばっかりじゃないみたいだよ?
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私が事故を偽装した理由も、病気のことも、 あっという間に調べられちゃったしね。
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藍
ええ。……死期が近いということで、 織姫に同情的な流れも生まれつつあるわ。
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藍
「このライブは、必ず伝説になる。 見届けるべき」……。
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藍
もちろん反対意見もある。「死を売り物にした興行だ。 到底許されるべきではない」……。
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……ねえ。今さらだけど、 どうして対決なんかしなきゃならないの?
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? だって、アイドルは夢を叶えるものでしょ?
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それなら、私やみんなの夢を叶えてよ。 真珠星はアイドルでしょ?
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お姉ちゃんや……みんなの、夢……?
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うん! 真珠星は、アイドル好きだったもんね? 小さすぎて覚えてないかもだけど。
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……ううん。ちゃんと、覚えてるよ。 小さいころ、アイドルになりたかったこと……。
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私の、夢……。 アイドルは……夢を、叶える……。
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そして、御梨音フェス 本番当日……
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く、クロエさん。 織姫さんのリハ、見ましたか……?
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見た。うまいな。
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そ、それだけ……? その、とんでもないくらいのパワーで……!
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まさか、あんなに圧倒的だなんて……。全てにおいて スキがなさすぎるし、どうやったら勝てるのか……。
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別に……私たちはいつも通りやるだけだ。相手に スキがあるとかないとか、そういう次元じゃない。
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踊った瞬間、ステージはあいつの世界になる。 ……あれは、そういうアイドルなんだろうな。
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クロエさんにまで、そんなことを言わせるなんて……。 私たち、とんでもない人を相手にしてるんじゃ……。
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お疲れさま~! ……あれ、どしたの? ふたりとも。 そんなこわ~い顔してると、本来の力が出せないよ!
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うるさいぞ、一宮織姫。 というか、お前の楽屋はあっちだろ。
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く、クロエさん……。すみません、織姫さん。 ……でも、お気遣いは不要です。
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私はともかく、クロエさんは あなたを倒す気満々ですから!
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よくわかってるじゃないか、三船。 越えるハードルは高くないと意味がない。
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そういうことみたいです。 私は……死に物狂いでついていくだけです。
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……ふふっ。ふたりとも、面白いね! さすが、藍ちゃんが選んだ子たちだなぁ。
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やー、新しい『I.V.』とライブできるなんて、 長生きはするもんだなー。
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そういう、どこで笑えばいいのか わからないこと言うのやめて。
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あっ、真珠星! 藍ちゃんも!
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私も、お姉ちゃんに負ける気とかないから。 ……『I.V.』として。
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それに、アイドル悪くないなって思ってるから。 みんな自分の力で輝こうとしてて、すごいなって。
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……!
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……ふうん?
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お姉ちゃん、言ってたよね? 今いる場所とか、 大好きな人たち……全部を私にくれるって。
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でも、大丈夫。お姉ちゃんからもらったものは、 今日のこのステージで、お姉ちゃんに返す。
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真珠星……?
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それで……たとえお姉ちゃんがいなくても、私は私。 一宮真珠星はアイドルだって、ステージで証明する。
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自分の居場所は、自分で掴むの。 ……私は私自身の力、輝きで、アイドルになる!
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……ふふっ。あは、あははっ! あー……真珠星にできるかなぁ?
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でも、私も負けられないんだ。一番綺麗な姿を、 覚えていてほしいから……全力でいくよ?
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いいよ! 全力のお姉ちゃんを、超えてみせるから!
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藍
……。そろそろ始まるわ。 行きましょうか、伝説のステージの幕開けよ。
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