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(私はマスコミの目をかい潜り、病院を訪ねた。
もちろん、織姫お姉ちゃんと話をするためだ)
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手紙、読んだんでしょ? 全部知ってても、
お姉ちゃんって呼んでくれるんだ?
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……今さら、他の呼び方なんて思いつかないし。
それに、お姉ちゃんはお姉ちゃんでしょ。
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ごめんね? じゃないでしょ!
こんな大変な事して……謝って済むわけないし。
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あはは……そうだよね。でも、交通事故は
わざとじゃないから! 本当の本当に、偶然!
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……それを利用しようって
思いついたのは、私だけどね。
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お葬式して、みんなの記憶からちゃんと消えようって。
……思ってた以上に、大事になっちゃったけど。
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当たり前でしょ……。
あの、お父さんとお母さんは、このこと……。
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知ってるよ。
すごい無理言って、私から頼んだから。
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……知らなかったの、私だけじゃん……。
……。
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……どうして、私に話してくれなかったの?
私に、会いたくなかった……?
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ううん、会いたかったよ。
一番、真珠星に会いたかった。
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一目見られたら、もうそれで満足しちゃうくらい。
ほら、私死んじゃうからさ。
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でも、本当のことだよ。
……だから、会えなかった。
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私が弱っていくところなんて、
真珠星には見せられないって思ったから……。
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死んじゃう前に、私が今いる場所、大好きな人たち。
全部、真珠星にあげたいなって思ったの。
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それで、元気な私だけ覚えててほしかった。
……えへへ、なんてね。
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……なら、どうしてSNSでメッセージを……?
わざとマスコミに見つかるように、姿も見せて……。
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うん……それはね。死んじゃう前に、最期に、
やらなきゃいけない事があるって気が付いたの。
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(お姉ちゃんに会った後、
久しぶりに両親とも話すことができた)
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お父さん、お母さん……。
どうして神宮寺さんのこと、私に黙ってたの?
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私はお父さんやお母さんを恨んだり、
嫌いになんてなったりしないのに。
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それより、ちゃんと育ててくれたことに、
感謝してるくらいだし……。
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真珠星はいい子だからね。正直に言えばだけど……
僕達はどう思われてもよかったんだよ。
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でも、神宮寺さん……七星さんは違う。
……真珠星は、絶対に彼女を恨まないって言える?
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彼女のことを恨んでほしくなくて。
真珠星はほら、怒ると話を聞いてくれないから。
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ぐ、ぐぬぬ……! ……はあ。やっぱり
私のこと、よくわかってるなぁ……。
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真珠星、本当にごめんなさい。
苦労ばかりかけてしまって……。
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べつに、気にしてないよ。
さっきも言ったでしょ。
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ふたりには、感謝してるもん。
それは本当だから。
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(それは、織姫お姉ちゃんに対しても同じ。
そのお姉ちゃんが、私に望んだこと。それは……)