MLTD Archive(β)

激突

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―忘れられた街―
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春香さーん、お疲れさまですー! これからどうしようかって、もう思いつきました?
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やよい……ううん、まだ全然だよ。 だって私、本当に何一つ知らなかったから。
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私が毎日、普通に過ごしてる裏で…… 不思議な力を持った人たちがいて、戦ってて。
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こんな街があったり、記憶を操作されたりとか…… 説明を聞いても、現実感が湧いてこないんだ。
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ですよね、うーん…… でも、私も似たようなものかも?
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やよいには、あんなに大きなカエルがいるのに? 戦いとか、強いんじゃないの?
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実はヴェロチョロは、私の戦具じゃなくて…… 『陰界の王』さんにもらったんです。
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いんかいの、おう……?
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私の夢の中に出てきた人が、そう名乗ってたんです。 「やよいは、戦具を持てないんだね」って言われて……
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「そのままじゃ大変そうだし、私のをいっこあげる」 って、ヴェロチョロをくれたんですよ。
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自分の戦具じゃないからなのかな? なんか、自分で戦ってる気がしなくて……。
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不思議な話……でも、やっぱり羨ましいな。 私、今だって怖くて……見て、手が震えてる。あはは。
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春香さん……。
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…………。
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(……? あれは……ああ、そうか。これは夢か…… あれは、あたしだ。まだ『司書』だった頃のあたし)
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(あの頃、あたしには友達がいた。たった一人の…… 痛みを分かち合える、友達が)
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ジュリアさん……私、普通の女の子に なってみたいかも。
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そうしたら、友達と買い物に行ったり、 クレープ食べたり、パフェ食べたりしたいなって。
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んー……あたしとやってみるか? 今から。
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うん……でも、やっぱり私には無理かな? だって、 自分のことも覚えてられないかもだし。えへへ。
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(あいつは、『人造司書』として生み出された。 高い記憶保持能力を持つ、実験体だった)
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(その扱いは、普通の司書より非道で…… 運用が始まれば、自分の感情・自我さえも残されない)
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(あいつはずっと謝ってた。覚えていられなくて、 ごめんなさい、って……だから、あたしは……!)
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SE
ズドオォォーンッ!
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ハッ!? ……なんだ、今のは!?
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うわああぁーっ!? キャアアァーッ!
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SE
ザッ、ザッ、ザッ、ザッ……
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戦具使いが出たら、相手をせずに報告すること。 私たちが対処します。では、作戦開始!
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了解(ヤーッ)!
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はぁ、アタシまで駆り出されるとはねー…… ま、たまにはいっか。準備運動ってことで。
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へえ、鬼の副長様と、陽界の王がおでましとはね……。 だったら、全員まとめて楽しんでいきなよ!
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レッツ・ダンス、『タイニー・ディスコ』!
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なっ、なんだ!? 体が勝手に……!
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SE
ザッ、ザッザッザッ♪ クルクル、シュバッ♪
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あらら、みんなダンスし始めちゃったわ…… って、私まで!? なるほど、こういう戦具ね……!
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アタシが、踊ってる限り! アンタらも、ダンスしか、 できない! みんな! 今のうちに、逃げろ!
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なるほどね、じゃあ……こうだっ!
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SE
ドゴォッ!
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ぐはあっ!? な、なんで…… 攻撃は、できないはず……ぐふっ!?
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攻撃なんかしてないよ? 今のは、ダンスしてたら接触しちゃっただけ。
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ほんと、呆れるほどのフィジカルしてるわよねー。
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ぐっ、ダメだ、まだ……! みんなが逃げ切るまで、ダンスは、やめない……!
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おおっ、やるじゃん! 根性あるね。 それじゃ、もっとアタシと……レッツ・ダンス♪
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SE
ドガッ! バギャッ! ドゴオッ……
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あ、ああっ!? 歩さんが……歩さーん!
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…………。
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ふぅ……こんなに耐えられるなんて、負けた気分。 ゴメンね、このみさん。かなり逃げられちゃった。
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いいわ、『反忘却同盟』の幹部が確保できれば、 他の全員に逃げられたってお釣りがくるわよ、ウフフ♪
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ううっ……カモン、『ヴェロチョロ』!
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ヴェロオォォーッ!
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SE
ドッゴオォーンッ!!!!
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うぐっ!? へえ……アタシに両手を使わせるとはね。 ホント、たまには生徒会室から出てみるもんだ。
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SE
ミシミシミシッ……!
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……『プラネット・ライナー』!
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SE
シュンッ! ドゴォッ!
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ぐふっ!? こ、これは……! ただのパンチで、アタシが膝を……?
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のり子ちゃん、下がって! 追撃はさせないわ……匂い立て、『面影香』!
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SE
シュウゥゥゥ……ヴンッ!
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シ、イィィィ……セク……シィィィ……!
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くっ、ユニット操作型の戦具か……邪魔だな。 おい、二人とも大丈夫か!? 悪い、遅れた!
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アンタは……ジュリア! いいねえ、一度やり合いたいと思ってたんだ!
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『反記録者(アンチ・クロニクリスト)』の お出ましね……のり子ちゃん、二人でやるわよ。
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う、うぅ……う……あ、頭が……!
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