1
あっ、この道さっきも……。
うう……地図だと、こっちだと思ったんだけど……。
3
あ、プロデューサーさん、貴音ちゃん!
よかった~!
4
うう、すみません。これから『秘密のメモリーズ』の
初顔合わせなのに、道に迷っちゃうなんて……。
5
わかりづらい場所だから仕方ないよ。
それより、間に合ってよかった。
6
早めに待ち合わせることを提案してくれた、
風花のおかげですね。
7
貴音ちゃん、優しい……!
うう、ありがとう~!
8
いえ、真のことですから。
無事に風花と会えて、安堵いたしました。
9
どのような現場でも、初顔合わせは心許ないもの……。
頼りにしていますね。
10
ふふ、私のほうこそ。さっきまで大慌てだったのに、
貴音ちゃんと話してるだけで、落ち着いちゃった。
11
二人でいれば、初めての役者さん達に囲まれても
心強そうだし。一緒に、頑張ろうね♪
13
……よし。それじゃあ、顔合わせに向かおうか。
15
(スタッフ、キャスト全員の挨拶は問題なく終了。
そのまま、セリフの読み合わせが始まった……)
16
ごめんね、でもなんだか寂しくて。
高校の時は、ずっと一緒だったから……。
17
こうやって、夕貴乃のいない思い出が
増えていくのかな……?
18
そうだね。
あの頃とは違うんだから。周りも、私達も……。
19
でも、それがきっと、
大人になるってことなんだよ。
20
(読み合わせを聞いてるだけで、切なくなる。
高校時代のまま、いられたらよかったのにな……)
21
……私からお伝えしたい点は以上です。
でも、全体的にすごくいいと感じました!
24
……風花。何かあるのでしたら、ぜひ……。
私や皆にも参考になると思いますから。
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そ、そうかな? それじゃ……。
は、はい! 質問、よろしいでしょうか?
27
あの……、夕貴乃は和臣と付き合っていて、
帆風には仲の良い、拓人っていうお友達がいますよね。
28
拓人は帆風のことが好きみたいですけど、
帆風は拓人のことをどう思ってるんでしょう?
29
友達なのか、それとも、
帆風も恋人として付き合いたいと思っているのか……。
31
帆風の気持ちは決めていますが、
ここではあえて、言わないでおこうと思います。
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それは、
帆風自身も揺れ動いているんじゃないかと思うから。
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答えはこれだと決めずに、その場の気持ちを
大切にして演じていただければと。
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役からずれてしまっていると感じたら、
その時は言いますから。
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うん……台本を読み込んで、それでも答えが
わからなかったら、どうすればいいんだろう……。
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そうやって、考えながら演じてほしいって
ことなのかもしれないな。
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答えを探しながら前に進む……。
人生とはそういうものなのでしょう。
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わ、貴音ちゃん大人……! でも、そうだね。
自分でしっかり考えて、頑張らないと。
43
監督も、風花にできないことは要求しないと思う。
楽しむ気持ちを忘れずにな。もちろん貴音も。