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(今日は風花オンリーでの撮影日。
でも雨が降り出して、撮影が中断してしまった……)
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天気待ちで、ずいぶん経ちましたけど……。
撮影、まだ再開しないんでしょうか……?
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もう少し様子を見たいそうだ。今日は貴音とご飯を
食べるって言ってたけど、時間は大丈夫か?
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それが……もう無理そうだからリスケしようって、
さっきメッセージを送ったんですけど、貴音ちゃん……
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貴音ちゃん! はぁ、はぁ……。
ごめんね、すっかり遅くなっちゃって。
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いいえ、待ち人の訪れを楽しみに過ごす、
よき時間でした。
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そ、そうなの? ならよかったけど……。
でも、もうお店はどこも閉まってる時間だね。
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はい。店での食事は、ぜひまた日を改めて。
ですが今宵はこのまま、風花と行きたいところが。
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まずは、夜のぴくにっくなど……いかがですか?
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はぁ、美味しかった~♪ ありがとう、貴音ちゃん。
出来合いのお惣菜、あんなに買ってくれてたなんて。
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風花は夕食を食べる時間もないと思いましたので、
少し多めに……。真、こんびにとは便利なものですね。
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それにしても、夜の公園でピクニックなんて初めて。
貴音ちゃんは、よくしてるの?
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いえ、このようなぴくにっくは私も初めてなのですが、
この公園には、よく立ち寄っています。
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ほら、あのように。
月がよく見えるものですから。
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雨上がりの月は、とても美しいのです。
特に今宵の月は格別かと……。
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うん……。なんだか月の周りが、
虹みたいに光ってる……。
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はい。月に虹と書いて月虹(げっこう)……夜の虹。
見た者には幸運が訪れるとも言われています。
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そうなんだ……! もしかして、あの月を私に見せる
ために、ずっと待っててくれたの?
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いえ、私はただ……
風花と、あの月を眺めたかった。……それだけです。
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そっか……。
ふふっ、とってもうれしい。……ありがとう……。
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なんだか……わかった気がする。
月って貴音ちゃんに似てるんだね。
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うん。とっても綺麗で、静かにみんなを
照らしてくれているところも……。
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気がついたらひとりでいるところも。
でも、手を伸ばしても、届かない気がするところも……
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ふふっ、今日は大丈夫かな?
ちゃんと手が届きそう……。
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貴音ちゃん。これからも、
もし寂しくなったら、いつでも私に言ってね。
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私は……。
私たちは、貴音ちゃんの仲間だから。……ね?
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どうして貴女は……
そんなにも、やさしいのですか?
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そんな貴女だから。そんな貴女たちだから、
私は……怖いのです。
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ねえ、貴音ちゃん。私は……どんなに大切な人でも、
どんなにかけがえない人でも……。
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いつかお別れする日は来ると思う。本当の意味で、
私たちはずっと一緒にはいられないから。……でもね。
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だからもっと大事にしたい。もっと一緒にいたいの。
ずっとはできなくても、今ならできるから。
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そしたらきっと、もっともっと大事になって、もっと
もっと近づけると思うの。何も怖くなくなるくらい!
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あっ……ごめんなさい!
私、なんだかまた勝手なこと言ってるかも~!
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いえ、とても心強いお言葉でした。
そうですね。恐れていては、離れるばかり……。
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何やら……迷いが晴れた気がいたします。
……風花は、大人ですね。
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ええっ、そうかな? う~ん……。
まぁ、ちょっとだけね♪
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(風花を送ったついでに、様子を見ていたけど。
二人の絆がさらに強まったらしい……)
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(公園からも無事に出て来たし。
月がきれいなうちに、こっちも帰るとするか!)