1
オレのアイドルとしての強みを説明する、かぁ……。
2
言葉でってのが難しいよな~。
ていうか、そもそもオレの強みってなんだ……?
3
ダメだー、全然わかんないよ!
うう、千本ノックのほうがよっぽどマシだぜ……。
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おっ、千本ノックするのか? 昴。
兄ちゃんが付き合ってやろうか?
5
颯太兄ちゃん……。今のは、ホントにやるってワケじゃ
なくて、たとえなの! ちょっと考えごとしてただけ。
6
え、昴なんか悩んでんの? よしっ、兄ちゃん達が
相談に乗ってやるぞ! おーい、全員集合~!
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ちょっ……祐翔兄ちゃん、別にいいってば!
あーあ、みんな来ちゃったよ……もう……。
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まあいいか。
ヒントくらいにはなりそうだし……。
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あのさ、兄ちゃんたち。
オレの強みって、何だと思う?
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いやだから野球じゃなくて!
その……アイドルとしてってこと!
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そういうんでもなくてー!
もう、真面目に聞いたオレがバカだったよ……。
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いいじゃん、カワイイのはホントなんだから。
てか、どうしたんだよ? 急に。
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なるほど、宿題ね……。
それは、そうなって当然の展開だろうな。
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うう……。だって、みんなすっごく真剣でさ。
オレ、なんか自信なくなっちゃって……。
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そりゃ、みんな真剣に決まってるだろー。
てかオレ、昴もそうだと思ってたけど?
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お、オレだって真剣だよ!
けど、レベルが違うっていうか……。
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はぁ……。こんなんじゃオレ、みんなに
どんどん置いてかれちゃうよ……。
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だったら、諦めて誰かと交代してもらうか?
出演したい子は、昴の他にもいるんだろ。
26
それは嫌だ! せっかくプロデューサーが
オレを選んでくれたんだ。絶対、諦めないからな!
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そう! 昴は選ばれたんだ。たくさんいる中からな。
スタメンってことだぞ? もっと自信持て。諦めるな。
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弱気は厳禁だ! スタメンってのは、選ばれなかった
みんなの気持ちも背負って、胸張らなきゃダメだろ?
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颯太の言うとおりだな。自分が選ばれたって
わかってるなら、最後まで頑張れ。
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大丈夫だ、昴なら絶対にできる。
イベントには、俺達も応援しに行くから。
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将人兄ちゃん……うん、わかったよ。
そうだよな。弱気じゃダメだよな……。
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えっと……話聞いてくれてありがと!
オレ、がんばってみる!
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(各事務所からイベントの出演アイドルが発表された。
昴達も、記者団の前で元気に挨拶をしている)
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(この後はさっそく、イベントの説明会だ。
何か、重大発表があるという事だったけど……)
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ふぅ、説明会やっと終わった~♪ あ、そうだ。
せっかくだし、他の事務所の子と話してみたいかも~。
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って、あれ? なんか、にらまれた気がする……。
もしかして、みんなピリピリしてる感じですか?
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合同レッスンの最終日に、ソロ曲担当を決める
オーディションがあるなんて聞かされたら、そりゃな。
42
当然、ほとんど全員、ソロを狙ってくるだろ。
こいつは想像以上の修羅場になりそうだ。
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ソロは全員ではないと聞いていましたが、
オーディション……絶対に、合格したいです。
44
そうだな。しかも選曲は自由。
プロデューサーとしても、腕が鳴るよ。
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では私たち全員、オーディション挑戦ということで……
落ちても受かっても、恨みっこなしですよ~♪
46
事務所の選抜メンバーばっかりなのに、
そこからさらにオーディションするのか……。
47
勝てばリーグ優勝どころか、
日本一みたいなもんってことか……? うわ……。
48
っと、弱気はダメだよな。
オレはスタメン、オレはスタメン!
49
おいおい、なに今から緊張してんだ、バカ昴。
あんまり気負いすぎるなっての。
50
う、うるさいな。そういうジュリアは、
緊張してないのかよ。
51
まあね。オーディションも大事だけど、ウチらの一番の
目的は、このステージに爪痕を残すこと……だろ?
52
そうですね。このイベントで私たちを知ってもらって、
ひとりでも多くファンを増やさないと……。
53
そうですね~。みんなを聖母の愛で包んで、
子豚ちゃんをたくさん増やしましょう~♪
54
わたしはカワイイから、いっぱい増えちゃうと思うな♪
プロデューサーさん、楽しみにしててね!
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オレなんて「緊張する~」とか、「失敗したら
どうしよ~!?」とかばっか考えてたのに……。
57
なあ、翼。もし本番でうまくいかなかったらとか、
そういうの考えないのか?
58
うーん、考えないわけじゃないですけど……。
失敗したら、その時はその時かなって!
59
軽っ!? マジかよ……
メンタル強すぎだって……。
60
翼は少し能天気すぎる気もしますけど、
間違ったことは言っていないと思います。
63
(今までなら全員、昴のような反応が普通だった。
みんな、成長したんだな……)
64
プロデューサーさん~?
何をニヤニヤしているんですか~?
65
おっと、すまない。
みんな頼もしくなったなと思ってな。
66
でも、翼の言うとおりだよ。
失敗したら、その時はその時で対処するしかない。
67
ミスしないために練習するってのは当然だけど、
ミスしたらどうするかってのも、練習の内かもな。
68
なるほど。野球でいうと、
カバーリングの練習みたいなものか……。
69
そうですね~。ソロ以外では、私たちはチームです~。
誰かが失敗すれば、当然カバーしますよ~。
70
おう! そうだな、失敗したらとかもう考えない!
失敗しても余裕なくらい、練習する!
71
うんうん、その調子だよ!
あはは、昴くん元気になってよかった~♪
74
(今日から合同レッスン開始だ。どこのアイドルも
気合い十分、そこかしこで火花が散っている)
75
なぁ、プロデューサー……ここにいる子たち、
よく見たらみんな、すっげーカワイイじゃん!!
76
各事務所イチオシのアイドルが集まっているからな。
外見だけじゃなく、実力もある子ばかりだろう。
77
どうしよう……こんな大勢の中でオレ、
ちゃんと見つけてもらえるのかな?
78
いや、自信がないわけじゃないけど!
でもオレ、背も小さいし……。
79
見つけてもらう、か。それはちょっと違うかもな。
だって昴は、『昴』なんだから。
82
オレの名前? えっと……
星の名前だろ。なんとか星団っていう……。
83
プレアデス星団。牡牛座の星の集まりだな。
明るくて、すごく綺麗なんだよ。
84
そ、そうなんだ。明るくて綺麗か……へへ。
あ、でもそれがどうかしたの?
85
冬の空なら、すぐに見つけられる。
ふっとそこに目を向ければ、自然と目に留まるんだ。
86
昴っていうのは、そういう存在なんだよ。だから昴も、
見つけてもらおうとか考えずに、ただ輝けばいいんだ。
88
はー、なるほどなー。
プロデューサーって、物知りなんだな。
89
ただ輝けばいい……うん。
よくわかんないけど、なんかわかったぜ!
90
はは、そうか。
少しでも伝わったのならよかったよ。
91
あ……ねえ、プロデューサー。
オレのソロ曲って、もう決まってるの?
92
ああ、その事なんだけど……
昴には新曲を歌ってもらおうかと思ってるんだ。
94
ちょうど準備していたところだったんだ。初披露が
『ブレイク!』なら、これ以上ない話題になるはずだ。
95
うん……わかった。オレ、本番でもその曲を
歌えるように、オーディションがんばるよ!
96
期待してるぞ。
宿題のほうも、そのうち答えを聞かせてくれ。
97
あっ! そうだった……
いや、忘れてないって! そっちもがんばる!
99
オーディション、いよいよですね。
喉を温めておかないと……ふぅ。
100
ああ。ここまで来たら、あとは思いっきりやるだけだ。
難しいこと考えてもしょうがないからな。
101
いいね、覚悟が決まってるじゃないか。
ちょっと前までとは大違いだ。
102
ふふん。
オレは『昴』だってわかったからな。
103
昴ちゃん、何か自信を持てるようなことが
あったんですね~。うふふ。
104
わたしは、昴くんが自信ないほうが不思議だった
けどな~? 昴くんて、カッコよくてカワイイのに。
105
まあ、こっちとしてはあのままでいてくれたほうが、
競争相手が減ってありがたかったけどな。ははっ!
106
なにー!? 言っとくけど、オレは
ジュリアにだって負けるつもりないからな!
107
お、言ったな?
その勝負、受けて立ってやるよ!
110
ねえ、そろそろ始まるみたいだよ!
わたし達も行こっか。
113
いや、そうじゃなくて……。
あのさ、円陣組まない?
115
ライバルだけど、同じ事務所の仲間だろ。
やっといたほうが気合い入るし。だから……。
116
そうですね、やりましょう~。
声出しにもなりますし~。
117
オーケー。
それじゃあ、音頭は任せたぜ、昴。
118
お、オレ!? 自分から振っといてあれだけど、
こういうの、なんて言えばいいんだ……?
120
そうですね。
「お前ら全員、倒してやるぜ」とか。
121
いや、さすがにそこまでは思ってないけど……。
えーっと、それじゃ……コホン。
122
正直、誰が勝つかわからないけど。
だから……。