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「私は、もともと勇気がなくて、
自分を変えたくてアイドルになりました」
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「相変わらずダメダメな私ですが、こんな私を応援して
くれているあなたに、このお手紙を書いています」
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「少し長くなりますが、まずは私の周りで起こった
出来事を、いくつか聞いてください」
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そ、それでは、『ブレスト会議』を始めますぅ。
何でもいいから、みんな、やりたいことを言ってね。
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「みんなで、私のセンター公演の打ち合わせを
しました。一緒にステージをつくりあげたくって……」
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む~ん……何か、ファンのみなさんに
楽しんでもらえることがしたいですな~。
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じゃあ、炎がブワッて上がるヤツとかは?
ステージの周りから一斉に!
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「意見を聞いてるだけで、ワクワクしてきました。
そんな中、ロコちゃんが……」
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エブリワン、聞いてください!
ロコにコズミックなアイディアがありますよ♪
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ステージだけじゃなくて、客席もキャンバスに
見立てて、スペクタクルなユニバースとして~……。
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ふおおおぉ~っ! 壮大なアイデアですね!
さすが、ロコちゃんです!
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え、え~っと……プロジェクションマッピングで、
ブラックホールやビッグバンを演出……?
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うーん。オレにはよくわかんないんだけど……。
なあ美也、どういうこと? 何かの呪文?
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そうですね~。ロコちゃんのイメージが、いろいろな
方向に膨らんでいる真っ最中じゃないでしょうか~?
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それから、ユニバースのエンドレスな可能性と、
ダークマターとのコンフリクトをですね!
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ちょ、ちょっと待って! えっと……ねえロコちゃん、
イメージを、イラストにしてみてくれない?
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イラストですね、ラジャーです!
さらさらさらさら……。
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うんっ、オレにもなんとなく、ロコの言ってたことが
わかってきたぜ! ナイス雪歩!
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でも……これだと、大がかりすぎるんじゃないかな。
もっとシンプルにして、こんなイメージで……。
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ナイスアイディアです!
では、こちらももっとシンプルにして……。
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「ちょっと混乱しちゃいましたけど、
なんとか、意見をまとめることができました」
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「教えることもあれば、私が教えてもらったりもして。
できることが増えたのが嬉しいです」
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「忙しい時もあるけど、
お休みもちゃんととってるので、安心してください」
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お前らっ! 箸はあるか? 皿はあるか?
胃袋の準備はできてるかー!?
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「この前のお休みの日に、家族やお父さんの
お弟子さん達とバーベキューに行ってきました」
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おうタツ!
テメェで食う前にタマの分も取り分けろや!
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火の扱いには気ぃつけてな! 安全第一、火の用心!!
溶接面は、命綱~!!
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お父さん、お母さん! お肉、焼けたよ!
一番いいタイミングだから、すぐに食べて! はいっ!
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ありがとう。……もぐもぐ。
うん、相変わらず、良い焼き加減ね!
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ワシらはいいから。
雪歩もたーんと食べるんだぞ~?
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お嬢、こっちでいい塩梅に焼けてますぜ。
遠慮なく食べてやってください!
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ありがとうございますぅ。
それじゃ、私が焼いたお肉も食べてくださいね?
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ぐあああああっ! 口がとろけそうでさぁ!
お嬢の焼く肉は天下一! ゴチになりやした!!
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「いつもお世話になってるみんなも、
盛り上がってくれて、楽しかったです」
43
「みんなの笑顔と美味しいお肉に、
すっごく元気をもらいました!」
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「それと、この前……
すごく嬉しいことがあったんです」
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「商店街でロケをした時のことなんですけど……」
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おススメのメニューって何?
……わ、うまそう! じゃあ、オレはそれをひとつ!
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おや~? もしかして、サンドイッチの中身は
きんぴらごぼうでしょうか~? いいですな~。
48
昴ちゃんも美也ちゃんも、すごいなぁ。
わ、私も頑張らないといけないけど……ううっ。
49
あの~……は、萩原雪歩ちゃん!
よかったらうちのお茶、飲んでいってください!!
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えっ……は、はいっ、ありがとうございますぅ。
……あっ、いい香り。なんだかホッとするなぁ~。
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! 嬉しい……あ、他にもいろんな産地の茶葉が
ありますから、お好きなのを言ってくださいね!
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い、いいんですか? えへへ。
えっと、どれにしようかなぁ……。
53
それと……すみませんっ!
お店用に、雪歩ちゃんのサイン……いただけませんか?
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えっ……。
わ、私のサインなんかで、いいんですか……?
55
もちろんです! 私、雪歩ちゃんの大ファンなんです!
いつかうちのお茶を飲んでほしいって思ってたんです!
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だから、今日は絶対に話しかけようって決めてたんです
けど……はあ~、勇気を出してよかったぁ~!
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あの、声をかけてくれて、ありがとうございました。
私ので良ければ、ぜひ……サインさせてください!
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「その後のロケは、私も勇気を出して、
いろんな人に話しかけることができました」
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「お茶屋さんのお姉さん、
勇気をくれて、ありがとうございました!」
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「私は、自分を変えたくてアイドルになって、
少しずつですけど、成長することができました」
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「それにつれて、なんだか、周りの世界まで
変わってきた気もしていて……」
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「でも、思ったんです。本当は、
世界はそんなに変わってなかったのかも、って」
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「私はいつも、劇場のみんな、家族やお弟子さんたち、
ファンのみなさん……たくさんの人に囲まれていて」
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「みなさんから、自信や元気や、勇気をもらっていて。
でも私は、それに気づけてなかっただけ」
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「それが、私からみなさんに近づけるようになって、
見えるようになっただけなのかもって。だから……」
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「もっと近づけるように、もっと気づけるように、
みんなの顔が見えるように、声が聞こえるように……」
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「それでは、そんな思いを込めて……聴いてください」