MLTD Archive(β)
メインコミュ 第 151 話 公演前 2 / 5 パート

まっすぐに

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はぁ……。プロデューサーの前だし、 つい強がっちゃったけど……。
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元気なんて全然出てないよ~! ホントもう、どうしたらいいんだろ……。
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おーいのり子、さっきから独り言がデカいぞ。 んな暗い顔してどうしたんだよ。
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そうだぞ~、のり子。悩みがあるならほれ、 お父さんに何でも言ってみろ!
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兄貴、お父さん……。 うーん、あのね、実はさ……。
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ふーん。 まぁ元々お前、アイドルって柄じゃなかったもんな!
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だな。ウチのガサツ娘がアイドルになれたことが奇跡! ここまで続くとも、正直思ってなかったしな。
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だからま、ウジウジずっと悩むくらいなら、この辺で 一般人に戻るのもいいんじゃねぇか? なーんて……。
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……うん、そうだよね。やっぱそう思うよね……。
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っおいおいおい、のり子!? ら、らしくねーな!  そんな落ち込むなんて! ……おい、親父!
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お、おおお俺のせいか!? えーっと、のり子! 別に俺は、アイドル辞めろとかそういう……。
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ちょっとー? お父さんもお兄ちゃんも、 のり子に変なこと言わないの。
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のり子も、急にどうしたの? こんな男共に相談なんかしちゃって。
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やー……その、ね。アタシなんかが、 アイドル、やってていいのかなって……。
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アイドルってもっと、『カワイイ女の子』が やるものじゃない? ふたりも言ってたけど……。
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アタシみたいにガサツで乱暴で、趣味もプロレスとか バイクとか、そういうのじゃなくてさ……。
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別に、そういうアイドルの需要だって、 ないわけじゃないんでしょ?
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そうだけど、そうじゃなくて……。 アタシが勝手に、引け目を感じちゃうっていうか……!
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うーん。そりゃあ確かに、あんたの趣味は アイドルにしちゃ珍しいだろうし……。
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のり子が、世界一の美人か?って言われたらねぇ。 いくら親でも、そりゃさすがに違うわって言うけど。
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うん……。
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でも世界一の美人が、世界一のアイドルに なれるわけじゃないと思うんだけどね~。
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えっ?
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そうだな。最強無敵のレスラーだけが、 大衆に愛されるレスラーってわけじゃないしな!
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ええ? でもレスラーはやっぱ強くなきゃダメだろ!?
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ちょっと、ふたりは黙ってて!
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はい……。
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ええっと、なんだっけ。あ、そうそう。アイドルって 別に、美人コンテストとかじゃないんだからさ!
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可愛さだけで言うなら、『隣のクラスの可愛い子』 ぐらいあれば、じゅーぶんなんじゃない?
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ええ~? そうなのかな~……?
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ま、お母さんはアイドルのことよく知らないから あってるかわかんないけどね!
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あ、お父さん! お兄ちゃんも。 余計なこと言って、のり子を悩ませないでよ!
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は~い……。
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も~……適当だなぁ。
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……でも、ありがと。アタシ、 自分がどうしたいのか、もうちょっと考えてみるよ。
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数日後……
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というわけで、みんな! アタシに力を貸して!!
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自信のつけ方、ねぇ。
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のり子、まだ悩んでたんだ。
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ううっ。情けないけど、そうなんだよ~! でも ひとりで考えても答えが出なくて……だからお願いっ!
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ん~。でもミキ、あんまり自信ないってコト、 ないかも。だってミキ、カワイイし。
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くっ! そのメンタルが羨ましいっ……! そりゃアタシも、美希ぐらい可愛かったらさぁ。
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のり子もカワイイよ?
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だから自分でそう思うのが難しいんだって~!
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私は、そうだなー。自信、自信……あ!できなかった ことができるようになると、自信つくよね!?
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いっぱい特訓して、難しい技がきまった時とか! 私にもできた!ってテンション上がるし☆
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なるほど。特訓して克服なら、納得できるかも! ……でもこの場合、何を特訓すればいいんだろ?
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つまり女子力トレーニングってことだよ!  カワイイを極めるトレーニング! 私もやりたいっ!
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女子力トレーニングか……ええっと、カワイイ服とか メイクとかにチャレンジしてみたり?
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だからそんなの、仕事で山ほどやってきたじゃない。 それでまだ、自信がついてないって話でしょ?
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うっ……そうです……。
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私は、自信って覚悟みたいなものだと思うわ。 舞台に立つ以上、自信がない、なんて言えないもの。
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たとえ自信がなくても、あるって思いこむっていうか、 あることにするっていうか……。
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……覚悟、かぁ。
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あの……私はやっぱり、のり子さんの気持ち、 わかるような気がします。
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憧れの大和撫子と比べて、私なんてまだまだ未熟で…… だから、落ち込んでしまうこともあったりして。
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へぇ……エミリーでも、そんなことあるんだね。
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はい。でも私はそういう時、ごヒイキ様方から いただいたお手紙を読み返したりするんです。
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こんな私でも、応援してくれる人がいるんだと思うと。 自然と背筋が伸びるというか……。
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うん……わかるよ。ファンの人の言葉って、 すっごくパワーもらえるよね。
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正直、こんなアタシがここまでアイドル続けられたの だって、ファンのみんなと、仲間と。それと……。
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それと……プロデューサーが、 ずっと背中を押してくれてたからで……。
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そうですね。私たちに、いつも一番最初に勇気を くれるのは……やはり仕掛け人さま、ですよね!
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もう。どうせまだ、アイツに まともに相談できてないんでしょ?
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うん……。
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プロデューサーなら、さっき事務室にいるの 見たよ? 今もいるかわかんないけど。
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じゃあじゃあ、今すぐいこっ! のりさん、ダッシュだよ!
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え、え~!? でも……。 ううん、わかった! アタシ……行ってくる!!
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(あれからゆっくり話せてないけど…… のり子は大丈夫かな? ちょっと様子でも見に……)
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SE
ガチャッ!
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プロデューサー! って、うわあっ!
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うおっ!
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っとっと……危なかったぁ~。 えへへ、今度はセーフ!
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セーフだけど、危ないから 次からはちゃんとノックしてくれよ?
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いやー、ごめん! 勢いつけなきゃ話せそうになくて、つい……。
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話って……JCCの件か?
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あーうん、JCCもそうなんだけど、その…… プロデューサー!
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アタシね、やっぱまだ、うまく自信持てないの! 自分が……か、カワイイって!
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……そうか。
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ホント、今さらだよね!? カワイイなんて、 もう何度も言ってもらってるのにさ。
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プロデューサーとか、ファンのみんなの言葉が 嘘じゃないってのは、わかってるんだけど……。
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ああ。もちろん本気で可愛いって思ってるよ。 のり子の事。
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うっ……。で、でもやっぱ、アタシってそういう キャラじゃないから……。
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だから……もしかしたら一生、 自信持てないかもしれなくて。それで……。
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そんなアタシが、ホントに…… アイドル、続けていいのかなって……!
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もちろん、いいに決まってる。 自信がなくたって、のり子が可愛いのは事実なんだし。
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それに、そういう事に自信が持てないのり子だから、 応援したいって思うファンもいるはずだ。
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で、でも! こんなことで、自信がなくて ウジウジしてるやつがさ! トップアイドルなんて……
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トップアイドルなんて…… なれないに、決まってるよ……。
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わかった。のり子が自信を持てないっていうなら、 その分、俺が可愛いって言い続けるよ。
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一生自信が持てないっていうなら、 一生言い続ける!
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いっ……いいい、一生っ!!?
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ああ。のり子が今も自信持てないのは、 俺のプロデュースのせいでもあるだろうし……。
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だから、ちゃんと責任取るよ。 のり子が、なりたい自分になれるまで!
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はぁ……。プロデューサーって、 時々、とんでもないこと言うよね……。
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そうか? プロデューサーとしては、 当然の事を言ってるまでだと思うけど……。
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も~~、そういうトコ……。でも、わかった。 プロデューサーがそう言ってくれるなら……。
98
アタシも、覚悟決めるよ! へへっ。
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