(そろそろ初公演が始まるのに、紗代子がいない。 いったいどこに行ったんだ?)
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(そろそろ初公演が始まるのに、紗代子がいない。
いったいどこに行ったんだ?)
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お、お客さん……あんなに入ってる。
今から私も、あのステージで歌うんだ……。
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だ、大丈夫! 毎日、たくさん
レッスンしてきたんだからっ。大丈夫……。
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は、はいっ。大丈夫です!
歌詞も、ダンスの振り付けも、完璧に覚えてます!
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全然、緊張もしてませんっ。
……だ、だから、何も心配いりません!
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そうだな。
俺も、紗代子なら大丈夫だと思うよ。
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ほ、本当ですか!?
本当の本当に、大丈夫だと思いますか!?
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ああ。今日までたくさん練習してきたことは、
紗代子自身が一番よくわかっているはずだ。
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は、はい……精一杯、努力したつもりです。
でも、他にできることがあったんじゃないかって……。
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私は……他のみんなより、
何倍も努力しないと追いつけないって思うから。
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今の私がステージに立っても、みんなの足手まといに
なるんじゃないかって、そう思っちゃって……。
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失敗してもいいから、気にするな。
だから、自信を持ってステージに上がってほしい。
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し、失敗なんて、そんなのダメですよ!
せっかくのステージが台無しになっちゃいます!
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もし失敗したとしても、次で挽回すればいい。
大事なのは失敗を恐れないで、全力を尽くすこと……。
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何度もオーディションを受けて、今ここにいる
紗代子なら、わかるんじゃないか?
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だから今日は、紗代子の努力の成果を、
お客さんに全部見せればいい。わかったか?
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お客さんは、紗代子のステージを
楽しみに来てくれてるんだからな!
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そう……そうですよね。
お客さんに、楽しんでもらわなくちゃ……。
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当たり前のことなのに、私……
一番大事なことを、忘れちゃってました。
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ありがとうございます!
プロデューサーの言葉を胸に、最後まで頑張ります!
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(オーディションの時と同じ目……もう大丈夫だ。
このステージが、紗代子のアイドルとしての一歩だ!)