志保ちゃん、肩の力を抜いて、 もう少し楽にしてもらっていいですよ。
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カメラマン
志保ちゃん、肩の力を抜いて、
もう少し楽にしてもらっていいですよ。
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(志保の宣材写真を撮りに来たんだけど……。
志保、上手く表情を作れないみたいだな)
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はぁ……。
どうして、上手くいかないんだろ……。
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別に……。ただカメラを向けられると、
変に意識しちゃって。笑顔が上手く作れないんです。
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それなら、無理に作らなくても……。
記念写真だと思って、普通に撮ってもらおう。
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そういうわけにはいきません。
いよいよアイドルとしての仕事が始まったんです。
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ああ、手を抜くのはよくないな。
だからプロとして、全力で気楽にならないと。
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宣材写真は、志保を売り出すために使うものなんだ。
つまり、志保の魅力が伝わるものじゃないといけない。
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アイドルとして、確かに笑顔は大切だけど……
何も笑顔だけが、魅力的な表情ってわけじゃないし。
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そうじゃないよ。
ただ、もっと志保らしい表情があると思うんだ。
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でも……。
私らしい表情って言われても、どうすれば……。
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どうもしなくていいじゃないか?
カメラマンさんは、何て言ってた?
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……。
肩の力を抜いて、もう少し楽にして……。
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なら、そこから始めてみよう。
求められているものに応えるのが、プロの仕事だろ?
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求められたことに応えるのが、プロ……。
それなら、私は……。
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あの、私、撮影に戻ります。
ちょっと確認したいこともあるので。
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私らしい表情。
そういうことでいいのか、まだわからないけど……。
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お疲れさまです。写真、どうですか?
宣材として使えそうですか?
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ああ、バッチリだ。キリッとした表情が志保らしくて、
すごくいい感じだ。よく頑張ったな!
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……まあ、仕事なので。
上手くいったのなら、よかったです。
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(笑顔だけがアイドルじゃない。この写真のように、
凛とした輝きを、志保なら見せてくれるだろう)