(風花に、劇場外のライブ出演依頼が来た。 ほとんど路上と言ってもいい屋外ステージだが……)
1
(風花に、劇場外のライブ出演依頼が来た。
ほとんど路上と言ってもいい屋外ステージだが……)
2
(これも立派な舞台だし、大勢に見てもらう良い
機会だ。しっかり盛り上げて、次に繋げないとな!)
3
わぁ、屋外のステージなんですね♪ 人通りも多いし
……ちょっと緊張しますけど、頑張らなくちゃ!
4
これなら、きちんとアイドルしてるってところが
見せられそうです。ふふっ、よかった♪
5
見せられるって……
風花、今日のライブに誰か呼んでるのか?
6
はい! 実は、父が観に来てくれる予定なんです。
お客さんが誰もいないと、寂しいだろうからって……。
7
はは、そうだったのか。
優しいお父さんなんだな。
8
ええ! 私が看護師を辞めてアイドルになるって
言った時も、何も言わずに認めてくれて……。
9
でもその代わり、姉には、
すごく反対されちゃったんですけど……。
11
はい。……「そのプロデューサーさんって
いうのは、一体どういう人?」とか……。
13
「ふーちゃん、絶対ダマされてると思う!」とか、
言われちゃってました。
14
765プロはちゃんとした事務所だし、私もそういうの
わかるからって言っても、聞いてくれなくて……。
16
えっ? あ、謝るってことは……。
まさか私のこと、本当にだましてたんですかっ!?
17
いや、そうじゃなくて。たしかに早いうちに、
ご挨拶に伺っておけばよかったかと思って。
18
プロデューサーさん、そんな……
気にしなくていいんですよ!
19
そうはいかないよ。お宅には、改めて伺うとして……
まずは今日、お父さんに挨拶させてもらえないか?
20
ええっ!? ち、父に挨拶ですか?
で、でも、それって……なんだか……。
22
い、いえ、なんでもありません!
その、家族もきっと喜ぶと思います!
23
ただ、父への挨拶は……その、
ステージが終わってからにしてもらっていいですか?
24
まずは……私がちゃんとアイドルしてるところを、
父にしっかりと見せておきたいんです。
25
ほら、そうしたらプロデューサーさんの事も、
信用しやすくなるじゃないですか!
26
……確かにそうだな。ありがとう、風花!
ステージの後に、お父さんに挨拶に伺う事にするよ。
27
はい! ……プロデューサーさん、
ありがとうございます。
28
今日のこと、父からも姉に話してもらいますね。
姉も私たちのこと、きっと認めてくれると思います……
29
あっ。わ、私たちって、変な意味じゃないですよ!?
その、アイドルとプロデューサーとしての……!
30
もちろん、わかってるよ。
それじゃ、ステージも頑張ろうな!
32
プロデューサーさん、お待たせしました!
あの、お客さん来てくれてますか?
33
ああ、お父さんにわざわざ来てもらわなくても
大丈夫なくらいだよ。ほら!
34
わぁ……! こ、こんなにたくさんの人達が、
私のステージを観に来てくれたんですか?
35
そうだよ。
でも緊張する必要はない。思いきっていこう!
36
はいっ! ……プロデューサーさん!
私、精いっぱい頑張ってきますね♪
37
(今日観に来てくれたお客さんは、
ほとんどが風花のグラビアを見た人達だろう……)
38
(けど、彼らもこのステージで気づくはずだ。
正統派アイドル、豊川風花の魅力に……!)