MLTD Archive(β)

理想と現実と光と

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翼は、どこへ向かったのでしょうか……。
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~♪
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着信……プロデューサーからのようです。 ……もしもし。
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プロデューサー、ちょうど良いところに。 少々、お力をお貸しいただきたいのですが……。
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…………
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どうしよう……わたし……。
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こんなところにいたのですね。 探しましたよ、翼。
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あ、貴音さん……。 どうしてここに……じゃなくて……。
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その……ごめんなさい。わたし……。
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いいえ。私たちも、もう少し時間をかけて 翼の話を聞くべきでした。
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翼が本当にやりたかった事は、特殊な技や、 派手な仕掛けではないのではありませんか?
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わたし……すごくすごく、がんばったから。 リーダーにも、選んでもらったし。
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ええ。実際、よく頑張っていたと思いますよ。
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でしょ? ……だから、みんなが一生忘れないくらい、 すごいライブにして、驚かせたかったの。
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わたしたちだけじゃなくて、ファンのみんなにも。 プロデューサーさんにも……。
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そうでしたか。……翼は、皆で、 大きな思い出を作りたかったのですね。
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でも、失敗しちゃった。 ……みんな、呆れてるよね。
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責めているのではありません。翼が誰より 一生懸命であった事を、私たちは知っています。
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翼の熱量に引き寄せられ導かれ、何処へ向かうのか…… 私たちは、それを楽しみにしていたのですよ。
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そんな翼に感銘を受け、最も支えようとしていたのは ……まつり姫だったのではありませんか?
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あ……。
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翼、貴音! よかった、ここにいたのか。
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プロデューサー……お待ちしておりました。 後の事は、あなた様にお任せします。
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どうかゆっくりと、翼の話を聞いてあげてください。 では。
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ああ、わかった。 ありがとう、貴音!
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プロデューサーさん…… 何があったか、もう聞いた?
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貴音から、少しだけな。
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そっか。 ……わたし、まつりさんにひどいこと言っちゃった。
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まつりさんのこと、嫌いなんかじゃないのに。 なのに、わたし……大っ嫌い、って……。
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そうか。
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……ねえ、プロデューサーさん。 わたしのいいところって、なに……?
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わたし、リーダーやれるって思ってた。だって わたしが、こんなにもがんばってるんだから……。
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でもわたしより、ほかのみんなの方が、ずっと……。
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……。
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ずっと、大人で……正しいよ…………。
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翼……。
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あーあ。未来とか静香ちゃんと一緒のチームだったら、 もっとうまく、リーダーやれてたのかな……。
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……そうだな、確かにそうかもしれない。 でも俺は、それが正しいとは思わないよ。
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? どうして……?
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もしも翼が正しい大人だったら、4人は 今みたいなチームになってなかったんじゃないかな。
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翼が翼なりに真剣に考えて、そうやって頑張る姿を みんなに見せたから、ここまでこれたんだと思う。
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……そう、なのかな。
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ああ。貴音も恵美も、それからまつりだって。 みんな、翼の熱に引っ張られて、ここまで来たんだ。
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翼が頑張ってるから、自分も負けたくないって。 このチームは、そうやってできたんだよ。
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……。
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そんな風に周囲を巻き込む力を持っている翼は、 やっぱりリーダーに向いてると俺は思うよ。
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プロデューサーさん……。 うん。わかった。
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わたし、戻る!  戻って、まつりさんに謝らなくちゃ……!
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