MLTD Archive(β)

努力は誰がために

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悔しい~……! お姉ちゃんがいないからって、 あんなこと勝手に決めるなんて……!
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I.V.の半分は、お姉ちゃんの名前でしょ! あのふたりの勝手にはさせないんだから!
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まずはバックダンサーの選抜に受からないと。 でも今の私じゃ、正直……。
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………………
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お姉ちゃんは、どうしてたのかな……。私って、 お姉ちゃんの仕事のこと、何も知らないんだ……。
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あれ……? でも、お姉ちゃんのお仕事用の スマホなら……確かまだ……!
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これって、返さなくていいんだっけ……? ……お姉ちゃん、ごめん!
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! レッスンの動画と、メモがたくさん……! ロックかかってるところもあるけど……。
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今は、これで十分! これを全部、やるしかない……!
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(翌日から、姉のメモを頼りにレッスンに打ち込んだ。 出来ることすべて、自分の体に叩き込むために)
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あれ……? 今日のプログラムは終わったけど…… 真珠星さん、自主練……?
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はあ、はあ……うん。 バックダンサーの選抜、あるから……。
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そうなんだ。 気合い、入ってるんだね……。
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当たり前だよね……。 お姉さんのユニットなんだから……。
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それもそうだけど……。 一番は、私がムカついたからかな。
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む、ムカつく?
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お姉ちゃんが死んでから、なんか、 いろんなことが勝手に決まっていって……。
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そういうのに、ムカついてたんだよね。 だから。
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……あ、あの!
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私も……私も、受かりたいの! バックダンサー! だから……一緒に、練習してもいい?
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……。 あの、それじゃあ……。
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ひとりじゃできないところがあって……。 手伝ってもらってもいい?
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うん、もちろん!
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バックダンサーの選抜試験について、 一週間後に行うことが決まったわ。
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当然、藍も審査に加わる。 各自課題曲を聴き込み、全力で臨みなさい。
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はい!!
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一週間後……。 思ったより、短いかも……。
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……。 上等じゃん。
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ワン、ツー、スリー、フォー……。 あっ……!
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真珠星さん! だ、大丈夫? 今日はもう終わりにして、帰ったほうが……。
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……。 なるさん、先に帰ってていいよ。
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でも、無理するのは体にも……。
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私なら大丈夫。 あんまり遅くなると、家の人が心配するよ?
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……わかった。 いつもの塩飴とテーピング、置いとくね?
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ありがとう! ……よし、もう一本……!
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(そして、バックダンサー選抜試験当日。 私は、それまでの練習の成果を思いきりぶつけた)
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(驚いた藍の顔を見られたのは、 ちょっとだけ気持ちよかったかもしれない)
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審査は以上ね。全体的にレベル高く 仕上げてきてくれて、なによりだわ。
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藍の目から見て、どうかしら? おそらく、私と同じ意見だと思うけど。
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藍
そうね。合格者の発表の前に…… 7番、一宮真珠星。
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! はい。
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藍
まず、粗削りね。精度に関して言うなら 他の子には及ばない点がちらほらあるわ。
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藍
だけど、目を惹かれたわ。 この中で、誰よりも華があった。
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藍
率直に聞くけど……。 あなた、どんな魔法を使ったの?
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魔法なんかじゃない、ただの特訓。 お姉ちゃんの残した動画やメモを元にしただけ。
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藍
なら練習メニューは優秀かもね。 けど、それくらいの事で……。
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うまくいくわけないよね。 私も最初、追いつくわけがないって思った。
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だから、全部書いてある事の3倍やった。 時間も才能もないなら、無茶するしかないから。
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藍
ふふっ……。
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(笑った……。 笑うことあるんだ、この人……)
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藍
アンタ、織姫と同じこと言ってる。 ……合格ね。
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藍
真珠星と息が合っていた、隣の8番も。 次の舞台でバックダンサーとして立ってもらう。
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それ以外の合格者については、私から発表します。 14番、31番……。
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わっ、私も……? や、やった!! やったね、真珠星さん!
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う、うん。 私、本当にやれたんだ……!
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これが私の第一歩。 アイドル一宮真珠星の始まり。
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どんな運命が自分を待ち受けているかも知らずに、 私はこの世界へと足を踏み入れたのだ。
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