1
悔しい~……! お姉ちゃんがいないからって、
あんなこと勝手に決めるなんて……!
2
I.V.の半分は、お姉ちゃんの名前でしょ!
あのふたりの勝手にはさせないんだから!
3
まずはバックダンサーの選抜に受からないと。
でも今の私じゃ、正直……。
5
お姉ちゃんは、どうしてたのかな……。私って、
お姉ちゃんの仕事のこと、何も知らないんだ……。
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あれ……? でも、お姉ちゃんのお仕事用の
スマホなら……確かまだ……!
7
これって、返さなくていいんだっけ……?
……お姉ちゃん、ごめん!
8
! レッスンの動画と、メモがたくさん……!
ロックかかってるところもあるけど……。
9
今は、これで十分!
これを全部、やるしかない……!
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(翌日から、姉のメモを頼りにレッスンに打ち込んだ。
出来ることすべて、自分の体に叩き込むために)
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あれ……? 今日のプログラムは終わったけど……
真珠星さん、自主練……?
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はあ、はあ……うん。
バックダンサーの選抜、あるから……。
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当たり前だよね……。
お姉さんのユニットなんだから……。
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それもそうだけど……。
一番は、私がムカついたからかな。
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お姉ちゃんが死んでから、なんか、
いろんなことが勝手に決まっていって……。
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そういうのに、ムカついてたんだよね。
だから。
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私も……私も、受かりたいの! バックダンサー!
だから……一緒に、練習してもいい?
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ひとりじゃできないところがあって……。
手伝ってもらってもいい?
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バックダンサーの選抜試験について、
一週間後に行うことが決まったわ。
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当然、藍も審査に加わる。
各自課題曲を聴き込み、全力で臨みなさい。
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ワン、ツー、スリー、フォー……。
あっ……!
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真珠星さん! だ、大丈夫?
今日はもう終わりにして、帰ったほうが……。
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私なら大丈夫。
あんまり遅くなると、家の人が心配するよ?
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……わかった。
いつもの塩飴とテーピング、置いとくね?
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(そして、バックダンサー選抜試験当日。
私は、それまでの練習の成果を思いきりぶつけた)
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(驚いた藍の顔を見られたのは、
ちょっとだけ気持ちよかったかもしれない)
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審査は以上ね。全体的にレベル高く
仕上げてきてくれて、なによりだわ。
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藍の目から見て、どうかしら?
おそらく、私と同じ意見だと思うけど。
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そうね。合格者の発表の前に……
7番、一宮真珠星。
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まず、粗削りね。精度に関して言うなら
他の子には及ばない点がちらほらあるわ。
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だけど、目を惹かれたわ。
この中で、誰よりも華があった。
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率直に聞くけど……。
あなた、どんな魔法を使ったの?
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魔法なんかじゃない、ただの特訓。
お姉ちゃんの残した動画やメモを元にしただけ。
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なら練習メニューは優秀かもね。
けど、それくらいの事で……。
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うまくいくわけないよね。
私も最初、追いつくわけがないって思った。
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だから、全部書いてある事の3倍やった。
時間も才能もないなら、無茶するしかないから。
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(笑った……。
笑うことあるんだ、この人……)
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アンタ、織姫と同じこと言ってる。
……合格ね。
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真珠星と息が合っていた、隣の8番も。
次の舞台でバックダンサーとして立ってもらう。
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それ以外の合格者については、私から発表します。
14番、31番……。
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わっ、私も……?
や、やった!! やったね、真珠星さん!
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これが私の第一歩。
アイドル一宮真珠星の始まり。
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どんな運命が自分を待ち受けているかも知らずに、
私はこの世界へと足を踏み入れたのだ。