1
(公演本番が近づき、今日も仕事が終わらない……。
ちょっと休憩して、外の空気でも吸ってこよう)
4
(夜風が気持ちいいな……。
屋上からの月もきれいに見えて……うん?)
6
(そうか、貴音もいたのか。
また月を眺めて……)
7
(貴音はずっと、ほぼ毎晩のように月を眺めている。
初めて出会った時もそうだった)
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(きっと貴音にとって、大切な時間なんだろう。
邪魔しないうちに……)
12
やはり……あなた様でしたか。
このような時間まで、お疲れ様です。
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あれ? ええと……、お疲れ様。
それより、大丈夫か?
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いや、貴音のことが……泣いてるのかと思ったから。
でも気のせいだったみたいだな。……なら、よかった。
16
まぁ、私のことを……。
ふふっ、あなた様は本当に、お優しいままですね。
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そんな、フォローしてくれなくていいよ。
ただの早とちりだったわけだし。
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いえ、あながち、そういうわけでも……。
私は先ほど、確かに……涙ぐんでいたと思います。
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あっ、ご安心ください。
その……、うれし涙、なのです。
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はい。ふいに気がついたものですから。
今の私が、笑顔で月を見上げていることに……。
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幼い頃より、私は月を見上げるたび、
どこか懐かしく、安らかな気持ちとともに……
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想いの届かぬ寂しさと、願いがかなわぬ切なさに、
この身を苛まれていたように思います。
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ですが……いつしか、月を見上げながら自然に、
笑顔で語りかけるようになっていました。
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それは紛れもなく、私の……かけがえのない仲間が。
賑やかで愛おしい百万の星々が。
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……。そっか。
細かい事情はわからないけど……。
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貴音が泣くほどうれしいと思えたことが、
とにかくうれしいよ。……よかったな!
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まぁ。……ふふっ。
はい、ありがとうございます!
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おかげさまで、私も少しは成長できたように思います。
ですが、まだまだ道半ば……。
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これからの道のりも、そばに……いてくださいますか?
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(輝くような貴音の瞳を、まっすぐに見つめ返す。
返事はもちろん……)